2023シーズンのJ1第3節が各地が開催された。等々力陸上競技場では川崎フロンターレと湘南ベルマーレが対戦。試合は前半から好機を何度も生み出していた湘南が64分に平岡大陽のゴールで先制したが、終盤に川崎Fが瀬川祐輔の得点で追いつく。神奈川ダービーは1−1のドローに終わった。

上写真=同点ゴールを決めた川崎Fの瀬川祐輔(写真◎J.LEAGUE)

■2023年3月4日 J1第3節(@等々力陸/観衆21,171人)
 川崎F 1−1 湘南
 得点:(川)瀬川祐輔
    (湘)平岡大陽

決定機の数は湘南がまさる

 前半からチャンスの数では、敵地に乗り込んだ湘南が上回った。大橋、町野のフロントラインがグイグイと相手ゴールに迫り、今季加入の小野瀬がチャンスをクリエイト。川崎Fは守備で後手に回ることが多く、どちらがホームチームか見紛うほどだった。

 好調・大橋が負傷により交代するというアクシデントはあったものの、代わった平岡もドンピシャのヘッドを放つなど、湘南は優勢のまま前半を終えると、後半も変わらずペースを握る。すると64分、右サイドを攻略した永木がファーサイドで待っていた平岡へ。落ち着いて右足を振り抜き、先制点を奪った。

 川崎Fは前節同様に、追う立場になってから粘りを見せる。後半開始から脇坂に代わってプレーしていた瀬川が、敵陣中央で大島のパスを受けると、ワンタッチで右にはたく。ボールはうまく味方につながらなかったが、相手がクリアしたこぼれを素早く拾ってそのままボックスに入り込み、冷静にフィニッシュ。古巣相手に見事にゴールを決めた。

 同点に追いついた川崎Fはそこから最後まで湘南を押し込んでいった。終盤に逆転した前節の再現を狙ったが、結局、追加点は生まれず1−1のまま試合終了の笛を聞いた。

 湘南は何度もチャンスをつくり出し、先制にも成功したが、前節に続いて追いつかれてドローに終わった。勝機はあっただけに悔やまれる内容と言えるだろう。得点源の大橋のケガの状態も気になるところ。とはいえ、攻めの迫力や多彩さ、守備時の強度と集中力など見るべき点も多い。3試合を終えて1勝2分けは決して悲観する結果ではないと思われる。

 一方の川崎Fは前節に続き、またしても先制されるという苦しい試合となった。今季のリーグ戦は3試合全てで先制を許している。この試合はしぶとく粘ってドローに持ち込んだが、前節鹿島に逆転勝ちした勢いを継続することはできず。何よりCB陣にケガ人が相次ぐ中で、この試合でも56分にジェジエウが左足を痛めて負傷交代。ケガの状態は不明だが、次節以降、ますます苦しい戦いを強いられる可能性も出てきた。まだシーズン序盤であり、新戦力を加えた2023年度版のチームを作り上げている過程にあるが、覇権奪還を目指すには1日でも早い『完成』が必要かもしれない。

・川崎Fメンバー:GKチョン・ソンリョン、DF山根視来、ジェジエウ(56分:松長根悠仁)、大南拓磨、佐々木旭、MF脇坂泰斗(46分:瀬川祐輔)、橘田健人、大島僚太(86分:ジョアン・シミッチ)、FW家長昭博、宮代大聖(72分:山田新)、マルシーニョ(72分:遠野大弥)

・湘南メンバー:GKソン・ボムグン、DF舘幸希(88分:岡本拓也)、大岩一貴、杉岡大暉、MF石原広教、永木亮太、畑大雅(71分:中野嘉大)、小野瀬康介、タリク(71分:阿部浩之)、FW町野修斗、大橋祐紀(44分:平岡大陽)