26日に開催されたJ1リーグ第2節で柏レイソルは FC東京とホームで対戦した。前半、細谷真大のゴールで先制したものの、すぐに追いつかれ、試合は1−1で決着。開幕から2戦続けて引き分けることになったが、2023版のレイソルは、昨季とは異なる魅力と可能性を感じさせた。

上写真=今季、名古屋から加入した仙頭啓矢(写真◎J.LEAGUE)

ネルシーニョ監督「生産性は高まってくるかなと」

 新シーズンの柏レイソルは昨季までとちょっと趣きが違う。ネルシーニョ監督が2度目の指揮を執るようになって5シーズン目、開幕から4-3-3の布陣を採用し、中盤にはアンカーに北海道コンサドーレ札幌から移籍してきた高嶺朋樹、インサイドハーフには左に名古屋グランパスから獲得した仙頭啓矢と右にモンテディオ山形から来た山田康太と、新加入の3人を配置している。ほかのポジションも含め、プレシーズンのちばぎんカップからJ1開幕の2戦まで同じ布陣で臨んでいる。

 高嶺は視野が広く、正確な左足キックを駆使しての展開力に優れ、仙頭は攻撃へのアイディアが豊富で中盤でリズムをつくり、決定機を演出する。山田は山形時代にセカンドトップでもプレーしていたように、より攻撃的で得点力があり、ひらめきのあるプレーで攻撃に変化を加える。それぞれ持ち味は異なるが、3人とも技術が高く、サッカーセンスのあるクリエイティブなプレーヤーだ。

 これまではレジェンドの大谷秀和に代表されるように、中盤での競り合いに負けないハードワーカー、「戦える」タイプの選手が重用されていたが、今季はテクニックのある選手を主体にしてボールを保持し、主導権を握るサッカーを目指している。

 この3人が絡んで、テクニシャンのマテウス・サヴィオ、スピードのある小屋松知哉という両翼を生かしてサイドを崩し、売り出し中のCF細谷真央の得点力を生かす攻撃は魅力にあふれている。FC東京戦でも特に前半は高嶺が左右にパスを散らし、仙頭が頻繁にボールに触れ、山田がアクセントをつけて良い流れをつくった。中でも、25分の先制ゴールは、仙頭が左からサイドを変え、山田がクサビを入れて、これを受けたサヴィオがスルーパスを送って、細谷が決めている。見事な展開から生まれたゴールは、まさに今季のレイソルが狙っている攻撃の形だろう。

 ただし、ちばぎんカップではジェフ千葉に2-3で敗れ、J1開幕戦はガンバ大阪と2-2と追いつかれた。この日も前半のうちに追い付かれ、後半は強風の影響もあってFC東京に押し込まれて1-1と2試合連続でドローに終わった。結果を見れば、まだ完成形とは言い難く、良い流れでボールを動かせる時間帯をさらに増やしていかなければならないだろう。

 それでも、ネルシーニョ監督は試合後に「彼らはレイソルに来てまだ間もない。公式戦2試合目で、まだ適応のフェーズにいると見ている。試合そのものもそうですし、レイソルという新たなクラブでの環境も前クラブとは相当違う。ただ、3人とも技術的なクオリティー、戦術理解度の高い選手たちです。戦術的なところがより成熟していくのは、チームとしても個人としてもまだまだこれから。ここまで非常によく適応してくれているので、生産性は高まってくるのではないかなと思っています」とコメント。シーズンのスタート時点で大きな手ごたえは得ている様子だ。

 昨季から大幅に入れ替わったディフェンスラインが安定することは大前提となるが、新加入トリオが中盤を形成する2023シーズンのレイソルは見どころが多そうだ。

取材◎国吉好弘