2023シーズンのJ1第2節が各地が開催された。三協フロンティア柏スタジアムでは柏レイソルとFC東京が対戦。前半に細谷真大のゴールで先制した柏だが、FC東京もアダイウトンの得点ですぐに追いつき、1−1のドローで決着した。

上写真=FC東京の東慶悟と柏の細谷真大(写真◎J.LEAGUE)

■2023年2月26日 明治安田生命J2リーグ第2節(@三協F柏/観衆12,833人)
 柏 1−1 FC東京
 得点:(柏)細谷真大
    (F)アダイウトン

両指揮官はポジティブに受け止める

 最初にネットを揺らしたのはホームチームだった。左インサイドハーフの仙頭が、FC東京の小泉に寄せられる前に、右インサイドハーフの山田にパス。受けた山田もプレッシャーをいなすように素早い動作で縦パスを入れ、右ウイングの位置から中央に移動していたサヴィオが流れるような身のこなしからスルーパスを放った。反応したのは、相手最終ラインと駆け引きしていたセンターフォワードの細谷。ボールを呼び込むと、右足できっちり蹴り込み、柏が先制点をマークした(25分)。

 この場面、FC東京側とすれば、相手の右ウイングであるサヴィオをフリーにしたことが痛かった。攻撃の局面で前に出て、守備の局面では東とドイスボランチを形成する小泉は「あそこが空くと研究されていたのか、相手に狙われた」と振り返った。誰がマークにつくか整理することが必要と指摘するとともに「その前の段階でパスを出させないようにすることが大事」と語った。

 ただ、FC東京が守備面で穴を作ってしまったのは、この場面くらいだった。その後は中盤での監視を強め、守備から攻撃への移行もスムーズになる。そして36分には同点に追いついた。自陣右サイドのスローインで中村帆がボールを前方を送ると、相手と競り合いながら塚川が運び、鋭いクロスを供給。ファーサイドで構えていたアダイウトンがとらえて、試合を振り出しに戻した。

 1−1で迎えた後半も『追いついた』FC東京がペースを握る。風上から風下に向かって攻めることになったことも後押しとなった。74分のFKの場面では東の素早いリスタートから中村帆が飛び込んで頭でプッシュ。惜しくも枠を外れたが、直後にも左CKの流れからトレヴィザンがヘッドでシュートを放った。さらに80分にも右からのクロスを渡邊がボレーで狙い、あわやの場面を作り出す。終盤に来てFC東京がジリジリと柏ゴールににじり寄った。

 しかし、勝ち越しゴールは生まれなかった。82分に中村帆が高嶺へのタックルで2枚目のイエローカードを受けて退場となったことも響いた。一方で柏も選手交代に伴い、70分過ぎにシステムも4−3-3から4−2−3−1へと変更して、2点目を狙ったが、終了間際に立て続けに訪れたセットプレーのチャンスも決めきれず。試合は1−1で決着した。

 この結果、柏は開幕から2引き分け。しかも前節と同じく先制しながら勝ち切れなかった。ただ、ネルシーニョ監督は「内容のある試合で、長いシーズンを戦っていく上で自信になる」と試合を総括し、結果をポジティブに受け止めた。

 対するFC東京も優勢な時間帯がありながら決め切れなかったが、アルベル監督は「今季は勝利にこだわるプレーを求め、今日選手はその姿勢を示してくれた。このような試合をし続けることが成長につながる」と語り、次につながる試合になったと強調。

 分け合った勝ち点1の価値は両指揮官が話した通り、価値あるものとなるかどうか。次戦以降の戦いぶりではっきりすることになる。次戦(3月4日)、柏は福岡と今季初のアウェーゲームを戦う。そしてFC東京も京都とアウェーで対戦する。

・柏メンバー:GK佐々木雅士、DF片山瑛一、立田悠悟、古賀太陽、三丸拡、MF高嶺朋樹、山田康太(66分:椎橋慧也)、仙頭啓矢(87分:山本桜大)、FWマテウス・サヴィオ、細谷真大、小屋松知哉(72分:中村慶太)

・FC東京メンバー:GKヤクブ・スウォビィク、DF中村帆高、木本恭生、エンリケ・トレヴィザン(90+5分:森重真人)、バングーナガンデ佳史扶、MF東慶悟、塚川孝輝(80分:俵積田晃太)、小泉慶、FW渡邊凌磨、ディエゴ・オリヴェイラ、アダイウトン(87分:長友佑都)