2月18日の明治安田生命J1リーグ第1節で、サンフレッチェ広島と北海道コンサドーレ札幌が対戦。広島が前半から多くのチャンスを作ったが決められず、耐えた札幌も試合終了間際にビッグチャンスを逃して、最後まで両チーム得点なくスコアレスドローに終わった。

上写真=冷たい雨の中で行なわれた一戦は0-0の引き分けに終わった(写真◎J.LEAGUE)

■2023年2月18日 J1リーグ第1節(@Eスタ:観衆13,121人)
広島 0-0 札幌

・広島メンバー◎GK大迫敬介、DF塩谷司、荒木隼人、佐々木翔、MF中野就斗(84分:柴﨑晃誠)、松本泰志(67分:エゼキエウ)、野津田岳人、東俊希(84分:松本大弥)、満田誠、川村拓夢、FWナッシム・ベン・カリファ(67分:ピエロス・ソティリウ)

・札幌メンバー◎GK菅野孝憲、DF田中駿汰、岡村大八、福森晃斗(88分:中村桐耶)、MF浅野雄也(HT:小林祐希)、荒野拓馬、宮澤裕樹(88分:馬場晴也)、菅大輝、金子拓郎、青木亮太、FWキム・ゴンヒ(90+5分:中島大嘉)

広島はシュート13本も実らず

 前日の夜から雨模様だった広島地方は、試合当日も朝から小雨がぱらつき、試合前には一段と強い雨足に。試合中も断続的に降り続き、公式記録の気温は10・1度だったが、体感温度はそれよりも低いコンディション下で開幕戦が行なわれた。

 立ち上がりから広島が札幌陣内で試合を進め、セットプレーを中心に決定機を作る。6分には左CKをDF塩谷がヘッドで合わせたボールがファーサイドに飛ぶが、札幌GK菅野が右ポストに激突しながらも好セーブ。広島は16分に右CKからDF荒木がヘディングシュートを放つも、左ポストに当たって決まらず、25分にはオーバーラップした塩谷のパスからMF川村が左足で狙ったが、枠を捉えられなかった。

 札幌も26分、敵陣での素早いリスタートからMF青木が右足で狙うが、クロスバーの上へ。押し込まれる時間が長いながらも、フリックからのスペースへのロングパスなどで局面を打開しようとするが、決定機を作るには至らない。その後の広島のチャンスでもゴールは生まれず、0-0で前半を終えた。

 後半も広島が攻め、札幌がはね返して少ないチャンスを生かそうとする展開が続く。62分に広島はMF満田の左からの折り返しをFWベン・カリファがフリーで合わせたが、大きく上に外れた。66分にはMF野津田のパスからMF川村が左足で狙い、67分にも野津田のセンタリングを川村がヘッドで合わせたが、どちらも札幌GK菅野がファインセーブで防ぐ。

 なおも攻める広島は73分、野津田の右CKをDF佐々木がヘッドで合わせ、ファーサイドに流れたところに川村が飛び込んでヘッドでたたきつけたものの、これも菅野が左足でセーブ。一連のプレーが終わった後、ゴールラインを割ったどうかVAR(ビデオ・アシスタント・レフェリー)によるチェックも行なわれたが、ノーゴールの判定となった。

 守護神の活躍で耐えていた札幌に千載一遇の決定機が訪れたのは89分。右サイドから中央を経由して左サイドに展開し、フリーとなったMF菅が左足で狙ったが、右ポストに当たって決まらず。結局、最後まで得点は生まれず、0-0で試合終了のホイッスルが鳴った。

 シュート13本の猛攻も実らず勝利を逃したミヒャエル・スキッベ監督は、試合後の会見で「まずは、相手が作った決定機で負けなかったのはよかった」とコメント。続けて「一方で数多くのチャンスを作っておきながら、勝つことができなかったのは非常に残念」と語った。

 札幌のペトロヴィッチ監督は「我々も最後に決定機があったが、内容的にもチャンスの数でも、広島が我々を上回ったゲームだったと思う」としたものの、「菅野が2回、3回と相手の決定機を非常に素晴らしいセーブで止めた」と称賛。「走る、戦うという部分で、選手たちは非常によく戦った。そのレベルは非常に高いものだったと思う」とプレーぶりを評した。

現地取材◎石倉利英 写真◎J.LEAGUE