Jリーグ30周年のシーズンが、2月17日にいよいよ開幕する。そこでサッカーマガジンWEBでは、Jリーグ開幕特集として「2023年に注目すべき23人」を紹介していく。ここでは大卒ルーキーの5人を取り上げる(8人〜12人目/23人)

上写真=左から三浦(甲府)、大森(札幌)、中野(広島)、木村(京都)、棚橋(徳島)(写真◎jJ.LEAGUE)

文◎竹中玲央奈 写真◎竹中玲央奈、J.LEAGUE

高まる大学サッカーへの注目度

 近年、大学サッカーへの注目度が高まっている。昨年末のカタールW杯の代表メンバーの中で、大学サッカー経由(※)の選手は02年日韓W杯以降最多の9人にも登った。更に、大会後にはイングランド・プレミアリーグで三笘薫が大活躍しており、ビッグクラブへの移籍も噂されている。三笘の活躍は「大学経由でも欧州5大リーグで活躍できる」ことを示した良い事例となり、プロ入りのボーダーラインにかかっている高校生やユースの選手がトップ昇格や入団オファーがあったとしても自ら大学サッカーを選ぶ、という流れが加速する可能性がある。

 今シーズンも多くの選手が大学経由でプロの舞台へ足を踏み入れた。第二、第三の三笘薫になることは簡単ではないが、昨年の満田誠(流通経済大→サンフレッチェ広島)のように1年目から主力として活躍し代表まで上り詰める可能性のある選手を5名、紹介したい。

中野就斗(サンフレッチェ広島←桐蔭横浜大/DF)

中野就斗は昨季、特別指定選手として1試合に出場

 2022年度の全日本大学サッカー選手権でキャプテンとして桐蔭横浜大を優勝に導いたディフェンスリーダーには弱点がない。スピードと跳躍力、90分を走りきれるゲーム体力に加え質の高いキックを備える万能選手だ。広島ではセンターバックではなくウイングバックとしての起用が見込まれているが、大学選抜でこのポジションを務めたときにも出色の出来を示し、それを多くのクラブのスカウトが見てオファーに動いた。

 182センチというサイドプレーヤーとしては十分すぎるサイズも魅力的だ。「自分の良さを最大限に出せるチーム」として広島を選んだが、1年目から満田誠を超える活躍を見せて、ステップアップすることも虎視眈々と狙っている。

三浦颯太(ヴァンフォーレ甲府←日本体育大/DF)

富士フイルムスーパーカップでプレーする三浦颯太

 2月11日に行なわれたフジフイルムスーパーカップで左サイドの推進力を発揮し、その凄みが“バレて”しまった。もともとサイドハーフやボランチの選手だったが、大学時代にチーム事情で左サイドバックにコンバートされ、今に至る。「最初は抵抗があった」ようだが「武器をこの位置で発揮すれば良い」といい意味で割り切り、大学サッカー界屈指の攻撃的なサイドバックとなった。

 甲府でキャリアをスタートさせた選手は出世していく傾向があるが、その最右翼が三浦であることは間違いない。ちなみに『FC東京U-15むさし→帝京高→日体大→甲府』というルートは、稲垣祥(名古屋)と全く同じである。

木村勇大(京都サンガF.C.←関西学院大/FW)

ルヴァンカップでゴールをスコアしている木村勇大

 昨シーズンですでに複数試合に出場し、ルヴァン杯では強烈なゴールも奪った。サポーターも彼に対する期待は大きく、そういう意味では他のルーキーよりも挑むハードルは高い。184cmのサイズがありながらも深いエリアに潜り込む力強さとスピードがあり、ボールを収める技術もある。この世代では大学サッカーNo1ストライカーと言っても過言ではない。

 チームを率いるチョウ・キジェ監督の指導に心を打たれ「ここでやれば代表も目指せる」と、京都入りを決意した。将来的に日本を背負う存在となる可能性は、大いにある。

大森真吾(北海道コンサドーレ札幌←順天堂大/FW)

順天堂大時代の大森真吾

 多くの選手は大学入学後に上級生との体格差や体力差の差に苦しむことが多い中、1年生の大森がJ内定者のセンターバックにも当たり負けせずにゴールへ突き進む姿は強烈だった。大学生活の後半はケガにも悩まされベストパフォーマンスを出せずに終わったことは否めない。しかし、ピッチに立った際に示す最短距離でゴールへ向かうためのパワーと技術は圧倒的で、大器の片鱗を出し続けた。

 そして何よりも佇まいから漂う自信の大きさが大森の特徴でもある。初年度で2ケタゴールを記録してもなんら驚きではないし、性格的にも“プロ向き”な選手だ。

棚橋尭士(徳島ヴォルティス←国士舘大/FW)

国士舘大時代の棚橋尭士

 三浦と同様、“J1級”の選手である。横浜F・マリノスユース時代にはU-17日本代表に選ばれ、久保建英らとともに世界の舞台で戦った。攻撃的なポジションならどこでもプレーができ、ドリブル突破や両足でのミドルシュート、ボックス内で合わせるプレーまで幅広く高いレベルでこなせる。得点を奪う感覚とネットを揺らす技術の高さは天性のもので、将来を嘱望された選手だった。

 大学では前十字靭帯断裂をはじめとしたケガに多く見舞われ順風満帆な生活は歩めなかったものの、10番を任された3年次に完全復活を遂げ持てる才能を余すことなく発揮し“上手い”選手から“怖い”選手へと変化した印象がある。「(久保)建英ら自分と一緒にU-17W杯にでたメンバーが活躍していて焦りがある」と本人は言うが、その才能を発揮すれば、先を進む同期たちに追いつけるだろう。

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