上写真=先制ゴールをスコアしたエウベルを仲間が祝福(写真◎小山真司)
■2023年2月11日 FUJIFILM SUPER CUP(@国立競技場/観衆50,923人)
横浜FM 2−1 甲府
得点:(横)エウベル、西村拓真
(甲)ピーター・ウタカ
粘る天皇杯王者をJ1王者が振り切る
試合開始直後、積極性を示したのは甲府だった。素早い切り替えから左サイドを攻略し、ゴールに迫る。8分には左CKから鳥海が左足でシュートを放つが、GKオビの好守に阻まれ、こぼれ球に反応した須貝のシュートも枠を捉えることはできなかった。
ボールの争奪戦と前に出る意識を統一し、速攻を仕掛ける甲府は序盤に何度か好機をつかんだ。しかし、横浜FMは自陣の守備エリアで慌てることなく、対応していく。その懐の深さはさすがはJ1王者で、相手の攻撃を受け止めながら、攻めの糸口を探っていった。
甲府のハイプレスに対しても、ドイスボランチの渡辺、喜田が状況を見ながらピッカーとなって2CBの間に下がり、ビルドアップに加担。GKオビも使いながら相手のプレッシャーをいなして、ボールを前へと運んでいった。甲府も粘り強い守備を見せたが、31分、ついに横浜FMにとっては待望のゴールが生まれる。
水沼がボックス内に送った縦パスにA・ロペスが反応。半転しながら左に流すと、走り込んだエウベルが冷静にネットを揺すり、見事な中央突破で均衡を破った。
しかし、甲府も失点に意気消沈することはなかった。昨季の天皇杯でJ1の5チームを下して頂点に立った自信を携えているからだろうか。見事な崩しで前半終了間際に追いついてみせる。E・マンシャからライン裏に飛び出した鳥海にパスを通し、折り返しをウタカがプッシュ。VAR、オンフィールドレビューでオフサイドの検証を経て、ゴールが認められた(44分)。
嫌な時間帯に追いつかれた横浜FMだったが、後半にはしっかりギアを入れ直していた。攻撃意識を高め、それに伴ってボールを奪う位置も高くなる。ボール保持後のアクションがより活発になり、躍動感が増した。前への意識が実を結んだのは、61分のことだった。
右CBの角田がスルスルとボールを持ち上がると、中央から左斜めに走り込んだをA・ロペスにスルーパス。ボックス左から放ったシュートはポストを直撃し、その跳ね返りを西村が冷静に蹴り込んだ。
リードを奪った横浜FMはその後も、選手を交代させながら主導権を握り、機に臨み時に応じて相手ゴールを目指していった。対する甲府は終盤になると流石に前半に比べれて運動量は落ちたが、それでも要所で体を張り、それ以上のゴールは許さなかった。試合はそのまま2−1でフィニッシュ。
横浜FMがJ1王者の地力を示して粘る甲府に勝ち切り、30回目のスーパーカップを制した
・横浜FMメンバー:GKオビ・パウエル・オビンナ、DF上島拓巳、畠中槙之輔、角田涼太朗、永戸勝也、MF喜田拓也(84分:藤田譲瑠チマ)、渡辺皓太、西村拓真(67分:マルコス・ジュニオール)、FW水沼宏太(67分:ヤン・マテウス)、アンデルソン・ロペス(90+6分:植中朝日)、エウベル
・甲府メンバー:GK河田晃兵、DF須貝英大、山本英臣、エドゥアルド・マンシャ、三浦颯太、MF松本凪生、佐藤和弘(81分:武富孝介)、鳥海芳樹(71分:三平和司)、長谷川元希、水野颯太(60分:ジェトゥリオ)、FWピーター・ウタカ