上写真=鬼木達監督は鳥栖戦後に「暫定首位も、プレッシャーに感じずに自分たち次第」(写真◎J.LEAGUE)
「繊細さを突き詰めたい」
川崎フロンターレはサガン鳥栖戦から湘南ベルマーレ戦まで中2日。過密日程の難しさはあるが、鳥栖戦に4-0で快勝して進めることは、心身ともに大きい。
鬼木達監督も試合直後の記者会見では「首位とは思っていません。ただ、望んでいるところに立っているわけで、それをプレッシャーに感じず、ここからは自分たち次第だと思って戦っていきたい」ときっぱり。過度な遠慮や謙遜を強調することなく、自分たちに最も似合った服を着て、凛々しく進んでいく、といった心持ちなのがこの人らしい。
この試合の振り返りの分析では「ネガティブな要素を探そうとは思っていません」と話すほど、納得の勝利だった。だが、「神は細部に宿る」とも言うから、3連覇へ少しの緩みも認めない。
「ウイークになってしまうので多くは言えませんが、守備の面で時間帯や場所に応じた守り方をもっともっと研ぎ澄ませる必要があると思います」
「攻撃でいうと、特に前半はフィニッシュでもう一つ落ち着きがあれば、より崩せたり、得点できたチャンスがあると思います。細かいところですけど、ミスというより繊細さを突き詰めたい思いがあります」
守備では車屋紳太郎を左サイドバックで起用し、「圧巻のプレーでしたね」と大絶賛。昨季からセンターバックとして勝負することを決断した背番号7も、緊急事態に出色のプレーを見せて完封に貢献した。攻撃面ではレアンドロ・ダミアンの負傷の状態が気になるが、鹿島アントラーズ戦では小林悠が、鳥栖戦では知念慶がセンターフォワードで先発、それぞれ持ち味を発揮して、鳥栖戦では知念が先制ゴールを挙げている。
「彼ら2人はタイプが違うので、対戦相手によって使い分けていければ、という思いと、自分の良さを発揮して調子がいい選手を使う、ということがあります。試合展開によって違ってくると思います」
鹿島戦では59分に小林から知念へ、鳥栖戦では74分に知念から小林へと交代している。
「(押し込まれた)鹿島戦は誰がフォワードで出ても難しいゲームでしたし、鳥栖戦のような(押し込む)展開であれば逆に得点機会も多くなります」
では、湘南戦では、そして残り試合ではどんな采配で前線に刺激を入れていくだろうか。
「2人の名前を挙げてはいますが、また違う形を考えなければいけないかもしれません。そこは臨機応変に対応できたらと思っています」
湘南戦で3連戦は終わるが、1週空いてまたサンフレッチェ広島、名古屋グランパス、柏レイソルと骨太の3連戦が控えている。残り9試合、現時点で自力優勝の可能性はなく、勝ち続けることで横浜F・マリノスの動向を待つしかできない。
レアンドロ・ダミアン、小林悠、知念慶のほかにFW登録は、遠野大弥、マルシーニョ、宮城天、五十嵐太陽、山田新がいる。誰か他の選手が1トップに入るのか、あるいは2トップで臨む試合もあるのか、鬼木達監督の手腕が楽しみだ。