8月27日の明治安田生命J1リーグ第27節で、川崎フロンターレにビッグマッチが待っている。3位の鹿島アントラーズをホームに迎えるのだ。いつも100パーセントで戦う橘田健人が、いつにも増して燃えている。ただ勝つだけではなく、圧倒して勝つために。

上写真=次の相手、鹿島はタフ。橘田健人も負けてはいない(写真◎J.LEAGUE)

「自分たちにベクトルを向けて」

 橘田健人にとって、川崎フロンターレにとって、8月27日の鹿島アントラーズ戦は大きなステップボードになるだろう。消化試合数は3試合少ないが、4位の自分たちの一つ上をいく3位のチーム。勝ち点差も1しかない。「上位ハント」が最もわかりやすい浮上のチャンスだ。

「いまチームとして連勝できているので、上位の鹿島をホームで倒してさらに勢いに乗れるように、圧倒して勝ちたい」

 横浜F・マリノス、アビスパ福岡を続けて倒し、負傷者も戻ってきてチームのパワーがみなぎっている。だからただ勝利するだけではなく、「圧倒して勝つ」ことが橘田の狙いだ。

「強いチームを倒すことで、順位が変わることももちろんですけど、チームの自信につながります。去年も上位に勝って優勝することができたので、さらに勢いに乗るために倒さなければいけない相手です」

 鹿島は岩政大樹監督が急きょ就任したものの、通底するポリシーに変わりはない。「戦うチーム」である。そんな彼らを圧倒するイメージは、橘田の中にしっかりとある。

「難しい試合になるとは思います。球際が厳しかったり、勢いがあるチームなので、一人ひとりが個の勝負で勝っていけば自然と自分たちのペースになって圧倒する形になると思います。相手の武器でもあるそのところで負けずに勝っていけば、ペースをつかめます」

 今年は追いかける立場だ。ルーキーだった昨季もアクシデントを乗り越えながらではあったが、首位を走って逃げ切る戦いだった。また違う経験ができている。

「去年は追われる立場でしたけど、自分たちにベクトルを向けて戦い続けました。いまは追う立場になりましたけど、同じように周りを気にせずに勝つために何をするか考えて戦っていければ上に上がっていけると思います」

 追われていても追っていても、やることが変わらないということだけははっきりしている。だから、迷いがない。昨年はシーズン途中からぐんと伸びてポジションを確保した。2年目の今年は主力としての責任が芽生えている。

「自分の守備の強度だったり運動量は、ここからの連戦の中でも続けてやっていけばチームの力になれると思います。だから、自分の武器を出し続けていきたい」

 鹿島相手にも、真っ向勝負だ。