上写真=神戸は64分、汰木康也が交代で入ってすぐに先制ゴールで結果を残したが、逆転負け(写真◎AFC)
■2022年8月22日 ACL準々決勝(埼玉/6,156人)
神戸(日本)1-3〈延長〉全北現代(韓国)
得点者:(神)汰木康也
(全)マドウ・バロウ、グスタボ、ムン・ソンミン
全北現代のパワープレーに屈する
J1で首位を走る横浜F・マリノスに真っ向勝負で3-2の勝利をもぎ取ったヴィッセル神戸。ラウンド16では同じ韓国の大邱に延長の末に2-1で競り勝った全北現代。ともに中3日での対決となった。
神戸は大迫勇也、アンドレス・イニエスタがベンチ外で、ラウンド16から先発メンバーを7人も代えて臨んだ。一方の全北現代は1人のみの入れ替えとなった。その全北現代はラウンド16で延長戦を戦った影響か、16時キックオフで気温が高いせいか、体が重くボールが足につかない。左ワイドのマドウ・バロウ頼みの攻撃に終始した。
神戸は積極的なシュートの意識が見られた。最前線のステファン・ムゴシャへと放り込み、セカンドボールを郷家友太や小田裕太郎が回収してゴールに迫った。
後半開始から全北現代は189センチの長身FWグスタボを入れて最前線に置き、神戸も同じく後半に飯野七聖を投入、62分には汰木康也を入れて左右のアタッカーを入れ替えた。どちらにとっても、この交代がゴールに直結する。
64分、左CKの流れで、尾崎優成が左から中央へ、GKがはじいたボールを汰木が押し込んで、ついに神戸が先制した。ところがこの2分後に一瞬のスキからカウンターを浴び、グスタボのパスで左を抜けたバロウに蹴り込まれた。どちらも交代選手がゴールを決めて、振り出しに戻る展開に。そしてまた、どちらも散発的な攻撃に終始した。
このまま延長に入って、ともに前線にどんどんボールを送り込むパワープレーの仕掛け合いになった。そうなれば、全北現代のほうが一枚上手だった。左に展開してバロウがファーにクロスを送り届けると、グスタボがGK前川黛也と酒井高徳と競り合いながらヘッドで突き刺して、ついに逆転。神戸は最後のパワーを攻撃に注いで、汰木がカットインから狙い、左クロスをムゴシャがヘッドでたたくなど迫ったが、惜しくもゴールならず。最後に神戸がCKの場面で前川もゴール前に送り込んだがクリアされ、120+2分にカウンターを浴びて無人のゴールに流し込まれ、力尽きた。
神戸の吉田孝行監督は「選手は最後まであきらめることなく戦ってくれた」と第一声。「先発を7人入れ替えたのは、この過密日程で、勝っても2日後に試合で、ましてや夏の暑さの16時キックオフだと考えると、3試合全部勝つことを前提に考えたときに、スタメンを入れ替えたほうがいいという自分の判断です」と大幅にメンバーを代えた理由を明かした。
この結果、東地区の代表を決める25日の準決勝には、まず全北現代が進出することになった。
現地取材◎平澤大輔 写真◎AFC