8月18日にノックアウトステージが始まったAFCチャンピオンズリーグの東地区。19日には浦和レッズがホームの埼玉スタジアムでジョホール・ダルル・タクジム(JDT)と戦った。前半だけで3-0、後半にも2-0でJDTを寄せつけずに大勝して、準優勝に終わった2019年大会以来のベスト8進出を決めた。

上写真=浦和が大勝でベスト8に進出(写真◎AFC)

■2022年8月19日 ACLラウンド16(埼玉/20,691人)
JDT(マレーシア)0-5 浦和(日本)
得点者:(浦)アレクサンダー・ショルツ、ダヴィド・モーベルグ2、キャスパー・ユンカー2

リカルド・ロドリゲス監督は無失点も称えた

 浦和がホームスタジアムで貫録の勝利だ。前半から確実に得点を積み重ねて、危なげなくベスト8進出を決めた。

 マレーシアのジョホール・ダルル・タクジムを迎えたラウンド16。川崎フロンターレを破ってこのステージに進出してきたチームだが、浦和とのチーム力の差は歴然だった。

 スコアは早々に動いた。ゴール前のハイボールに松尾佑介がジャンプして、相手GKのパンチングが遅れて頭部にヒットしたプレーがファウルとなってPKを獲得、これをアレクサンダー・ショルツがゴール右に決めて、8分にはあっけなく先制した。19分には大久保智明が倒されて得たゴール中央、20メートルほどの距離からのFKで、ダヴィド・モーベルグが自慢の左足を振ると、きれいな弾道で右ポストをたたいてゴールに飛び込んだ。

 これで浦和は落ち着いて試合のペースをコントロール。無理に攻めに出ず、相手の出方をうかがいながら余裕の試合運びを見せた。JDTも強度は高くはなく、時折奪いに出てきても少ないタッチで回してかわしていった。

 39分にはペナルティーエリア右角付近から松尾がファーへとボールを送ると、小泉佳穂がワンタッチでマイナスに戻し、モーベルグが蹴り込んで難なく3点目。試合の流れを完全に把握した。

 浦和は後半に一気に3人を代えてフレッシュさを保ちつつ、攻めに出たがるJDTを余裕たっぷりに待ち構えて奪う展開。守備に集中力を欠いたJDT陣内にはふんだんにスペースができて、そこを利用して押し込んでいった。

 これが実ったのが84分。自陣右サイドでモーベルグが持ったときに相手が前に出てきて、その裏のスペースを江坂任のランとモーベルグのパスがぴたりと合って攻略し、江坂は中央へ、走り込んだキャスパー・ユンカーが落ち着いて流し込んで、勝負を決めた。90+1分にはさらにダメ押し。GK西川周作の高スピードのパントキックを江坂が収めて左の関根貴大に預け、リターンパスを裏でもらうと中央に流し入れ、またもユンカーが左へ蹴り込んだ。

 早々に先制し、追加点を重ねて相手を引き出し、その裏を突いてさらにゴールを生んでいく。総合力に差があったとはいえ、浦和にとってこれ以上ない理想的な展開でベスト8進出を決めた。

 リカルド・ロドリゲス監督は大量得点はもちろん、「コントロールすべきは相手の2トップのところで、そこをしっかり止めることができた」と無失点で終えた守備の集中力を称えた。率直に「非常に素晴らしいサッカーができた」と振り返ったものの、「まだ何も成し遂げていない」と引き締めることも忘れなかった。

現地取材◎平澤大輔 写真◎AFC

ACL東地区ラウンド16以降の日程と結果

〈ラウンド16〉
■8月18日
大邱FC(韓国)1-2〈延長〉全北現代(韓国)
得点:(大)ゼカ(全)ソン・ミンギュ、キム・ジンギュ

神戸(日本)3-2 横浜FM(日本)
得点:(神)飯野七聖、佐々木大樹、小田裕太郎(横)西村拓真、アンデルソン・ロペス

■8月19日
パトゥム・ユナイテッド(タイ)4-0 傑志(香港)
得点:(パ)ウォラチット・カニスリバムフン、イフサン・ファンディ・アハマド、ティーラシン・デーンダー、チャトモンコル・トンキリ

JDT(マレーシア)0-5 浦和(日本)
得点:(J)(浦)アレクサンダー・ショルツ、ダヴィド・モーベルグ2、キャスパー・ユンカー2

〈準々決勝〉
■8月22日
※準々決勝の対戦カードは8月20日の組み合わせ抽選会で決定する。

〈準決勝〉
■8月25日

※決勝は2023年2月19日と26日