タフなセレッソ大阪の象徴は松田陸だ。フィールドプレーヤーとして唯一、リーグ戦全試合に先発していて、心身ともにチームを引っ張っていく。真夏の5連戦のラストはFC東京とのアウェーゲーム。公式戦11試合負けなしの最高の雰囲気をそのままぶつけるだけだ。

上写真=松田陸は多くの試合でプレーできることに感謝の気持ちを口にした(写真提供◎セレッソ大阪)

「どの選手が出ても結果を出せる」

「ヤスには負けたくないので」

 松田陸はそうやってにやりと笑う。セレッソ大阪は8月13日、J1第25節でFC東京とアウェーゲームを戦う。ヤスとはかつての仲間、木本恭生のことで、その木本は今年からFC東京でプレーしている。

 いまは自信にあふれている。公式戦11試合負けなし。天皇杯でベスト8に進出し、J1ではAFCチャンピオンズリーグ出場圏内の3位に浮上、今節の結果次第では柏レイソルを抜き去って2位に躍り出る可能性もある。ルヴァンカップでも8月10日の準々決勝第2戦でアディショナルタイムに決まったゴールでアウェーゴールで上回って、ドラマティックに川崎フロンターレを下したばかり。

「いい練習ができて結果に結びついているので、メンタルの状況もよくて、必然的に雰囲気は相当いいですね」

 松田の声も弾む。もちろん、疲労はある。真夏の5連戦のうちタフな4試合を戦ってきたし、松田のことを言えば、リーグ戦で24試合すべてに先発出場しているC大阪のフィールドプレーヤーはただ一人で、ルヴァンカップでもプレーオフステージ以降の4試合はフルタイム出場している。こういう選手を「鉄人」と言うのだろう。

「体がきついとか言っていられないですからね。これだけ試合に出ているのは選手としてありがたい。結果が出て雰囲気はすごくいいので、短いスパンで試合ができているのはチームとしていいこと。みんなきついと思いますけどチームがいい状態なので、勝ちますね」

 納得の準備が勝利を生み、それがまた充実の準備へとつながっていく。さらには「0-1で負けていても、いまは点を取れるという自信をみんなが持ってやれている」から、動じない。「どの選手が出ても結果を出せる状況にあると思うので、チャンスがあれば得点やアシストをしたいですね」と、先発メンバーでも交代選手でも、高いレベルを維持しながら戦えている実感が、ますます自信を大きくする。

 ところで、木本がプレーするFC東京には、前期は0-1で今季初黒星を喫している。ますます負けたくない。