好調のセレッソ大阪に小菊昭雄監督が帰ってくる。新型コロナウイルス感染症で陽性診断を受けて戦列を離れていたが、8月13日の明治安田生命J1リーグ第25節のFC東京戦で復帰することになった。代わって指揮を執ってきた高橋大輔コーチがしっかりとチームを守った。

上写真=高橋大輔コーチが小菊昭雄監督が留守にしていたチームを守った(写真提供◎セレッソ大阪)

「自分が監督をやった感覚は正直ありません」

 小菊昭雄監督が復帰することを、高橋大輔コーチが8月12日のオンライン会見の場で明かした。

「私もそうですしスタッフも選手も、ようやく待ちに待って監督が戻ってくるというところで、すごいパワーになると思います。明日は小菊監督の指揮の下で精一杯頑張りたいと思います」

 小菊監督が新型コロナウイルス感染症でチームを離れていた間、高橋コーチがチームを守った。川崎フロンターレとのルヴァンカップ準々決勝第1戦は、89分に粘って追いついて引き分け。J1第24節ではヴィッセル神戸に3-0で完勝。そして、ルヴァン杯準々決勝第2戦では、0-2のビハインドから90分と90+6分に決めて追いつき、アウェーゴールの差で川崎Fを退けて準決勝進出を決める劇的な幕切れになった。

 高橋コーチと選手たちはそのまま関東に残ってJFA夢フィールドでコンディションの調整に集中し、中2日でFC東京戦を迎える。そこに、小菊監督が帰ってくる。

「私自身はコーチとしてのスタンスでやるというところで、多少の違いはありましたけど、ミーティングでも試合の中でもいつも監督がいる前提で取り組んでまいりました。ですから、自分が監督をやった感覚は正直ありません」

 それが高橋コーチならではのプライドだろう。監督が戻ってくるまでにチームを守らなければならない思いだった。

「私自身もそうですし、小菊監督の存在は選手にとってもスタッフにとっても大きいんです。そういう存在がいる前提でやることが、僕にとっても選手にとっても結果につながる認識でいましたので」

 そして、素晴らしい3試合を戦い抜いた。リーグ戦ではAFCチャンピオンズリーグ出場圏内の3位に浮上し、ルヴァンカップでベスト4に進出した。

「一言でいうと愛情ですよね。スタッフにとっても選手にとっても太陽のような存在なので、唯一無二です。監督の復帰を伝えたときもそうですし、オンラインで画面越しに監督が出てくるだけで選手の顔が違いますから」

 高橋コーチがそう表現する小菊監督のパワーが頼もしい。FC東京との前期の対戦ではホームで0-1で敗れている。公式戦11試合負けなしの好調をさらに続けてFC東京にリベンジを果たし、まずはリーグで2位浮上を狙っていく。