セレッソ大阪は真夏の5連戦の真っ最中。その初戦となる明治安田生命J1リーグ第23節のアビスパ福岡戦は、2-0で快勝した。勝利に近づく追加点を挙げたのが上門知樹。移籍後、ホームで初ゴールとなり、「コツコツできたからこそ」と感慨深く振り返る。

上写真=上門知樹がホーム初ゴールで自信アップ。「小さいことを毎日繰り返して」の結実だ(写真提供◎セレッソ大阪)

「毎日毎日サッカーに真剣に」

 3月以来のリーグ2得点目は、上門知樹にとって念願のホーム初ゴールだ。ファジアーノ岡山でエースとして名を成して、今季セレッソ大阪に新たな勝負の舞台を移したアタッカー。7月30日の第23節アビスパ福岡戦で自慢の堅守を破って勝利をぐっと引き寄せる追加点を決め、「ホームで取りたかったのでよかった」と一安心だ。

 1-0でリードした59分に登場すると、迎えた71分、左からの為田大貴のクロスをGKがはじいたところに、上門がいた。左足をコンパクトに振って、低い弾道のシュートをゴール左へと送り込んだ。

「ここからゴールを量産したいと思いますけど、でもまずは守備からしっかり入ることを意識したい」

 チームの規律を最優先に置く意識は、染みついている。

 長い間、浮上のきっかけを探し続けてきたことと無関係ではないだろう。リーグ戦では4月10日の第8節から7月2日の第19節にかけておよそ3カ月も、1試合を除いてベンチ外。その名古屋グランパス戦も74分からの途中出場にとどまった。

「岡山では試合に出ずっぱりというか、出て当たり前でしたけど、ここに来て、メンバー外になったり試合に絡めなかったり、最初はメンタル的にきつかった。でも、いま考えたらその時間が僕にとって必要だったと振り返ることができます。腐らずに毎日毎日サッカーに真剣に取り組んだからこそ、結果が出始めていると思います。やり続けることの大事さを学んで、決して無駄な時間ではありませんでした」

 第20節の鹿島アントラーズ戦から再び出番をつかみ、4試合連続でピッチに立った。そして、ゴールが生まれた。

「日々の積み重ねというか、コツコツできたからこそ、監督も練習からみんなを平等に見てくださっていますし、練習でもゴールを取り続けることやアピールし続けた結果かなと思っています。これからもシーズンが終わるまでやり続けたい」

 リーグ戦で出番がない時期、ルヴァンカップでは8試合中7試合にプレーして、4試合が先発出場だ。1ゴールも決めていて、その手でベスト8進出を勝ち取った。その準々決勝がいよいよやってくる。まずは8月3日にホームで第1戦。

「カップ戦のタイトルを取ったことがないんですけど、このチームは取るだけの力はあると思います。カップ戦にかける思いは持っていますし、そこで結果を出せばリーグにもつながってきます。限られた時間であっても、守備でも攻撃でもチームの助けになれればいいと思っています」

 相手は川崎フロンターレだ。リーグ戦ではアウェーで4-1、ホームで2-1で勝って「ダブル」を達成している。もちろん、「3度目の正直」を許すつもりはない。