川崎フロンターレがシーズンを左右する夏の5連戦に臨む。7月30日の浦和レッズ戦から5連戦、しかも8月まで計8試合という過密スケジュールになっている。そんなタイトルの行方を占う重要な日々を前に、遠野大弥が元気だ。

上写真=遠野大弥はパリ・サンジェルマン戦でメッシたちから大きな刺激を得た(写真◎福地和男)

「参考になるプレーがたくさん」

 川崎フロンターレにハードな夏がやって来た。7月最後となる30日の浦和レッズ戦から始まる5連戦。ルヴァンカップ準々決勝のセレッソ大阪戦がホームアンドアウェーで行われ、その間には首位の横浜F・マリノスをホームに迎える決戦があり、5月の前半戦で0-1と苦杯を喫した京都サンガF.C.とのリターンマッチが続く。8月はその後も3試合。

「この1カ月、2カ月で決まってくると思います。連戦で優勝するかしないかがかかってくるので、みんなも自分も強い気持ちでいい雰囲気で練習できています。まずは浦和戦に勝っていい流れに乗って、ルヴァンカップもリーグもどっちも取りたいです」

 遠野大弥の受け答えは、そのプレー同様はつらつとしている。迷いがない。はっきりと言い切る。

「目に見える結果を出すことはもちろん、ハードワークや球際の勝負、切り替えと、普段からやっていることを出していきます。自分の特徴である足を振ることを日々の練習から意識しているので、試合で出したい」

 奪って、前に出て、シュートして、という推進力の申し子のような遠野に刺激を与えたのは、やはりパリ・サンジェルマン。7月20日のプレシーズンマッチで前半の45分をプレーした。

「あの試合を経験してみて、真似というか、自分たちに参考になるプレーがたくさんありました。運ぶこと、ちょっとしたところで前を向くこと、運んでいって誰が出てくるかを見ていくこと、そこは改めて意識しています」

 川崎Fで過ごす2シーズン目は出場機会を増やし、20試合でプレーするうち、12試合が先発と、欠かせない存在になっている。だからこそ、自分たちが目指す理想形を目の前で見せられて、悔しいという感情だけではない「理解」が深まっていく。

「今年はインサイドハーフでプレーさせてもらうことが多くて、求められることは以前よりも多くなっています。守備の部分や攻撃の走るタイミングは試合を通して良くなっています」

 夏よりも春や秋の方がいい、と笑うが、「夏は嫌いではないですし、特徴はハードワークをするところ、走れるところなので、ブレずにやっていきたい」と宣言する。

 5連戦は遠野が主役になる。