7月23日にパリ・サンジェルマン(PSG)とのプレシーズンマッチを戦った浦和レッズ。序盤はハイプレッシャーを仕掛けて押し込んで、チャンスも数多く作ったものの、結果は0-3。選手たちの言葉から、90分で受けた衝撃と悔しさを振り返っていく。

上写真=かつてフランスでプレーした酒井宏樹がエンバペをストップしにかかる(写真◎Getty Images)

■2022年7月23日 PSGジャパンツアー2022 第2戦(@埼玉/61,175人)
パリ・サンジェルマン 3-0 浦和
得点者:(パ)サラビア、エンバペ、カリムエンド

「シュートを打たされている感覚が」と松尾

「楽しめると思ったけれど、率直に悔しかった」

 かつてフランスのマルセイユでプレーして、パリ・サンジェルマンとライバル関係にあった酒井宏樹は、出場した45分をそう振り返った。

 リカルド・ロドリゲス監督が新型コロナウイルス感染症の陽性判定が出て、試合の指揮を執ったのは小幡直嗣コーチ。前半と後半でがらっとメンバーを入れ替える采配で、多くの選手に経験を積ませた90分は、チャンスはありながらも0-3の完敗だった。

 いきなり開始3分には中央を松尾佑介が抜け出すが、相手のプレッシャーに転ばされそうになりシュートは左へ。5分にも伊藤敦樹がコースを突くミドルシュート、本人も「入ったと思った」と振り返る納得の一撃だったが、GKナバスにセーブされる。32分にはモーベルグが右から突破して中へ、こぼれ球を松尾が狙ったものの、DFのスライディングにブロックされた。

 41分には左サイドから関根貴大が得意のドリブルで抜け出して折り返し、小泉佳穂が左ボレーで狙うものの、ナバスがまたも立ちはだかった。44分にも関根のスルーパスで松尾が抜け出したものの、左に追いやられてシュートに力が入らなかった。

 後半から9人を一気に代えて、そのうちの一人、新外国人FWのブライアン・リンセンが浦和で初出場を果たした。そのリンセン、52分には江坂任の左からのクロスをペナルティーエリア内の右でフリーで受けてシュートを放ったが、またもやナバスに反応された。

 65分にも安居海渡の強引な持ち出しからチャンスを作り、江坂から右の縦へ、松崎快が突破してマイナスに折り返したところで馬渡和彰が狙ったが、ナバスに代わって入ったリコがストップ。ついにゴールを割ることはできなかった。この間に16分にサラビアに、35分にエンバペに、76分にカリムエンドに決められて、0-3。

「チャンスに決められないことがすべてですね」とは関根。再三、ゴールに迫った松尾は「シュートを打たされている感覚があった。駆け引きが違った」と悔しさを隠さなかった。ゴールを許すことになった西川周作も「失うものはなにもないから楽しもう」と声を掛け合ったが、「クオリティーの差を痛感させられた」と静かに振り返った。

 その西川の「全員が肌感覚で悔しさを感じられたことが、今日の収穫」という言葉が、貴重な90分の最もシンプルで確かな総括になるだろう。

現地取材◎平澤大輔 写真◎Getty Images