明治安田生命J1リーグは7月9日に第21節の2試合が開催され、川崎フロンターレはガンバ大阪を迎えた。川崎Fが6分と早々に先制したあと、G大阪が7分で退場者を出したこともあって、川崎Fが前半のうちに計4ゴールを集めて圧勝した。

上写真=開始早々の6分にレアンドロ・ダミアンが決めて川崎Fが先制。これでリズムが出た(写真◎J.LEAGUE)

■2022年7月9日 J1リーグ第21節(等々力/18,466人)
川崎F 4-0 G大阪
得点者:(川)レアンドロ・ダミアン、マルシーニョ、脇坂泰斗、家長昭博

「自分に矢印を向けて戦える選手を」と片野坂監督

 川崎フロンターレのゴールショー!

 幕開けはわずか6分のこと。左サイドのオープンスペースにチャナティップが送り込み、マルシーニョが抜け出すと、ワンタッチで右足アウトサイドでゴール前にボールを滑り込ませ、最後はレアンドロ・ダミアンがワンタッチでゴールに突き刺す先制ゴールで、一気にリズムに乗った。

 直後の7分にボランチの奥野耕平を退場で失ったことで、ガンバ大阪は混乱に陥った。これに乗じるように、川崎Fは20分に左から崩し、最後はレアンドロ・ダミアンの短いスルーパスをマルシーニョが蹴り込んで2点目を奪うと、30分にはまたも左から佐々木旭のセンタリングを、マルシーニョがスルーして脇坂泰斗が流し込んで、早々に「ノルマ達成」の3得点。36分には右CKから最後は家長昭博が、軽やかな身のこなしから利き足とは逆の右足でバイシクルシュートを豪快に決めて、4-0までスコアを伸ばして前半を終えた。

 G大阪も試合を捨てたわけではなく、一人少なくなってから倉田秋をボランチに下げて4-4-1で整えたあと、山見大登を前線に上げて南野遥海と並べて圧力を強める4-3-2へ。32分に山見に代えてパトリックを投入するなど、1点でも返そうとゴールを目指した。川崎Fもこれに対してさらに強度を高めて、ボールの周りの攻防は激しさを増した。

 しかし、ハーフタイムを挟むと、ほぼ一方的に川崎Fがボールを支配。G大阪にとっては公式戦9連戦の7試合目で、中2日でのアウェー連戦と過密日程。川崎Fは7月6日に予定されていたサガン鳥栖戦が中止(8月31日に代替開催)となって、コンディションも川崎Fに有利な状況ではあった。G大阪は守備では粘りを見せたものの、攻撃には出られずに後半はシュートゼロ。川崎Fも何度もゴールに迫ったものの、GK東口順昭のスーパーセーブにもあって、結局このまま4-0で終了した。

 川崎フロンターレでは、鬼木達監督が新型コロナウイルス感染症の濃厚接触者と判定されたため、代わって指揮を執った寺田周平コーチはうれしい「初勝利」。「相手の退場もありましたが、その後も緩めることなく戦い続けてくれました。終盤になっても貪欲に1点を奪う姿を見せてくれて、満足のいく内容と結果でした。最後まで見ていて楽しいゲームで、うちの選手は改めて素晴らしいなと感じました」と清々しかった。

 G大阪の片野坂知宏監督は「前半、選手が意気消沈したというか、はね返すパワーが感じられませんでした」とうなだれた。それでも「後半はシュートはありませんでしたが、相手に得点も与えずに0-0で終えることで意地を見せてくれたと思う」と後半の戦いぶりには一定の評価を与えた。ただ、これで3試合勝ち星に見放されており、「プロとして、ガンバ大阪のために自分に矢印を向けて戦える選手を見極めて勝ち進めるようにしたい」と、闘争心を持つ選手を起用する意思を示した。

現地取材◎平澤大輔 写真◎J.LEAGUE