上写真=レアンドロ・ダミアンが久々に先発してゴールはなるか(写真◎J.LEAGUE)
「ディフェンス面でも貢献できることもある」
一つゴールが生まれると、何かを思い出したように立て続けにゴールが続く――。そんな話を多くのストライカーから聞くが、レアンドロ・ダミアンもその感覚がよくわかるという。
「そういう感じは理解できますし、ゴールをすることで慣れてくるというか、ゴール数が増えていきます。ゴールを一つ取れれば、リズムを取り戻してプレーできます」
2021シーズンのJリーグMVP、レアンドロ・ダミアンが苦しんでいる。J1ではここまで19試合すべてに出場しているが、1052分間プレーして3ゴールだ。1ゴールに約351分を擁している計算になる。19年は約112分、20年は約137分、21年は約100分に1ゴールだった、という過去の数字と比べることにどれだけ意味があるかはわからないが、それにしても今季はゴールが少ない。
6月のJ1中断前、鬼木達監督も「フォワード陣が低い位置でパワーを使うことが多い」とチーム全体の攻撃への仕掛け方を課題に挙げていて、その影響による得点力の低下を示唆していたが、最近ではその改善を口にしている。
レアンドロ・ダミアンはここ3試合はベンチスタート。20年9月から10月にかけて同じく3試合連続で途中から出場したとき以来のことだが、このときはその次の試合で先発に復帰すると、先制ゴールを挙げるなどの活躍でサンフレッチェ広島に2-0で勝利を収めている。
川崎Fの次の相手はガンバ大阪だ。チームのチャンスの数が増えてきたいま、そのときと同じように先発に戻って、きっかけのゴールが生まれることが期待される。
ただ、本人は正しく振る舞うことの大切さを口にする。
「なかなか得点できない時期はあると思います。そういうときに、自分が本当に何ができるか。ディフェンス面で貢献できることもあるでしょうし、アシストという形でも貢献できることができます」
それはすでにプレーで示している。6月18日の第17節北海道コンサドーレ札幌戦で82分から登場すると、その4分後、相手ゴール前でGKとDFに対して猛烈に2度追い、3度追いしてマルシーニョにボールを取らせて、最後は小林悠が蹴り込む勝ち越しゴールに導いている。
「どんな状況でも、辛抱強くやり続けることが大事なのです」
今季の3つのゴールのうちの2つ目は、G大阪との前回対戦で決めている。相手GKのミスから決めたものだったが、いまこそ「辛抱強さ」の成果を発揮して、気持ちの良いゴールで夏の大攻勢を始めたい。