明治安田生命J1リーグの第20節が6日に行われ、日産スタジアムでは横浜F・マリノスとサンフレッチェ広島が対戦した。首位チームと4位チームとの勝ち点差は7だったが、横浜FMが広島に3-0で快勝。首位の力を示すとともに、勝ち点差を10に広げた。

上写真=先制ゴールを決めた小池裕太をチームメイトが祝福する(写真◎J.LEAGUE)

■2022年7月6日 明治安田生命J1リーグ第20節(@日産スタ/観衆13,311人)
横浜FM 3-0 広島
得点者:(横)小池裕太、西村拓真、宮市亮

序盤の広島ペースを崩す正確なサイド攻撃

 序盤、ペースを握ったのは広島だった。ハイプレスで相手のビルドアップを制限し、サイドバックの裏のスペースを利用しつつ、横浜FMのゴールに迫る。ウイングバックはフリーでボールを受ける場面も多く、サイド攻撃も機能した。足りないのはフィニッシュゾーンにおけるプレーの選択の精度。いい形は作ってもネットを揺らせなかった。

 一方で横浜FMはハイプレスがはまらず、ボールの狩りどころがなかなか定まらなかったが、サイド攻撃をきっちりゴールにつなげてみせる。32分、右サイドから水沼が上げたクロスを、ボックス内に攻め上がっていた小池裕がヘッド。見事にゴールを破った。

 首位チームと4位につけるチームの試合は持ち味をぶつけ合う立ち上がりを見せ、攻撃意識も保たれていた。ただ、ゴールを手にしたのは横浜FMの方だった。広島は攻撃の形を得点につなげられないまま、45分を終了した。

 後半、広島は柏に代えて藤井を投入。攻撃を活性化させて同点ゴールを目指した。ハイプレスから好機をつかんだのは、55分。その藤井がカットインから放ったシュートはGKに弾かれたが、こぼれ球を東が強振。しかしシュートはDFに当たり、枠を逸れた。

 横浜FMも交代選手がチャンスをつくる。59分、カウンターに転じると、エウベルに代わって入った宮市が左サイドでレオ・セアラからパスを引き出し、ボックス右でフリーになっていた水沼にパスを通す。その落としを松原に代わってピッチに入っていた小池龍がシュート。コース上にいた西村が触って方向を変え、ネットを揺らした。

 同点を狙う広島がやや優勢だった時間帯だが、前半同様にまたしても横浜FMが連動したプレーでゴールを決めた。

 2-0とした横浜FMは、その後もGK高丘を中心に集中した守備で得点を許さず、試合終了間際の90+1分には快足の仲川から快足の宮市というホットラインでゴールを奪ってダメを押す。首位と4位の上位対決であり、6ポイントマッチとも言える重要な試合だったが、横浜FMが攻守ともに完成度を示し、その力を証明。0-2で敗れた前回対戦(7節・4月6日)のリベンジを、3-0と上回るスコアで果たし、6連勝を飾った。

◆出場記録
・横浜FMメンバー:GK高丘陽平、DF松原健(57分:小池龍太)、畠中槙之輔(69分:藤田譲瑠チマ)、エドゥアルド、小池裕太、MF岩田智輝、山根陸、水沼宏太(57分:仲川輝人)、西村拓真、エウベル(57分:宮市亮)、FWレオ・セアラ(80分:マルコス・ジュニオール)

・広島メンバー:GK大迫敬介、DF塩谷司、荒木隼人、佐々木翔、MF柏好文(46分:藤井智也)、野津田岳人(67分:野上結貴)、松本泰志(61分:柴崎晃誠)、東俊希、森島司、満田誠(87分:棚田遼)、FWナッシム・ベンカリファ(61分:ジュニオール・サントス)