上写真=22分、広島は荒木がヘッドで決めて先制。後半にもセットプレーから2点目を奪い、流れを引き寄せた(写真◎J.LEAGUE)
■2022年7月2日 J1リーグ第19節(@Eスタ:観衆9,969人)
広島 3-0 磐田
得点者=(広)荒木隼人、佐々木翔、森島司
・広島メンバー◎GK大迫敬介、DF塩谷司、荒木隼人(84分:今津佑太)、佐々木翔、MF柏好文(70分:藤井智也)、松本泰志、野津田岳人、東俊希、森島司(78分:棚田遼)、満田誠(78分:柴﨑晃誠)、FWナッシム・ベン・カリファ(70分:ジュニオール・サントス)
・磐田メンバー◎GK三浦龍輝、DF山本義道(HT:ジャーメイン良)、伊藤槙人、リカルド・グラッサ、MF吉長真優、鹿沼直生(HT:山本康裕)、遠藤保仁(72分:金子翔太)、小川大貴(64分:松本昌也)、上原力也、鈴木雄斗、FW大森晃太郎(54分:杉本健勇)、
※実際のポジションで表記
3日前の敗戦を引きずらず
日中の最高気温が34・5度まで上がった広島市は、日の入りが19時27分ということもあり、18時33分キックオフの前半途中までは昼間の明るさが残っている状況。太陽はキックオフ直前にバックスタンド背後の山に隠れたため、日差しこそ弱まったものの、公式記録で気温28・5度、湿度63パーセントという蒸し暑さの中での一戦となった。
磐田の伊藤彰監督が試合後の会見で「前半の入りから、しっかりボールを握り、中盤でのプレッシャーをすり抜けるシーンを作りながら、相手が出てきたところで、ワイドで勝負することはある程度できていたと思う」と語ったように、序盤は磐田が広島のプレッシャーを回避し、シュートまで持ち込むシーンを作っていた。だが22分、先制したのは広島。左サイドの深い位置で得たFKを満田がファーサイドに送ると、磐田の小川のマークを振り切った荒木がヘッドで合わせた。
磐田は広島の前線からのプレッシャーでボールを奪われるシーンがありながらも、粘り強くパスをつないでチャンスをうかがう、30分にはエリア外右寄りで遠藤のパスを受けた吉長が左足で狙ったが、広島GK大迫の正面。広島は前半終了間際に満田や佐々木がミドルシュートを放ったが追加点は奪えず、1-0で前半を終えた。
磐田はハーフタイムに2人を交代。後半立ち上がりの46分に左からのセンタリングを吉長がヘッドで合わせ、惜しくも枠を捉えなかったものの良い形を作った。ところが51分、エリア外中央から左足でシュートを放った大森が、右足太ももを押さえてピッチに座り込み、そのままプレー続行不可能に。54分に交代を余儀なくされ、せっかくの勢いがそがれる形となった。
これで息を吹き返した広島は64分、右サイドでFKを得ると、野津田が鋭いインスイングのボールをニアサイドへ送り、「蹴る前にガク(野津田)に、ああいうボールをくれと注文して、本当にその通りのボールが来た」という佐々木がヘッドで合わせて2点目。前半に続くセットプレーからの得点を、佐々木は「セットプレーで取ると、これだけゲーム運びが楽になるのかと感じた」と振り返った。
さらに68分、広島が前線からの連動したプレッシャーで追い込んでいくと、磐田はたまらずGKにバックパス。磐田GK三浦は前線へのロングボールを選択したが、塩谷がヘッドで競り勝ってゴール前にはね返すと、エリア外中央に残っていた森島が拾って蹴り込み、勝利に大きく近づく3点目を決めた。
磐田は78分にエリア内右サイドに侵入した鈴木が右足でニアサイドを狙ったが、右ポストに当たって決まらず。広島はその後のチャンスこそ生かせなかったものの、そのまま無失点に抑えて完封勝利を収めた。
6月29日の第15節延期分でG大阪に0-2で敗れ、連勝が4でストップしていた広島は、移動を挟んで中2日という過密日程の中で敗戦を引きずることなく勝利を収め、ホーム5連勝。上位争いに踏みとどまり、ミヒャエル・スキッベ監督も「今日のパフォーマンスには、すごく満足している。3日前は良いプレーができなかったが、今日は自分たちができると証明した」と納得の表情を浮かべた。
現地取材◎石倉利英 写真◎J.LEAGUE