日本代表の活動により中断していた明治安田生命J1リーグが6月18日、再開した。前半戦最後となる今節は引き分けのない土曜日となった。上位3チームが難しいゲームをものにして緊迫した争いを続ければ、下位に沈む清水エスパルス、湘南ベルマーレも勝って再スタートを切った。

上写真=横浜FMは開始早々に先制されながら、後半一気に逆転に成功(写真◎J.LEAGUE)

浦和が10試合ぶりの白星

 首位に立つ横浜F・マリノスは、後半の逆転劇でアウェーで勝ち点3だ。

 ガンバ大阪とのゲームは、バックパスミスからダワンに蹴り込まれて7分に失点する苦しいスタート。しかし、後半の5分で連続ゴールを奪った。56分に水沼宏太の右からのクロスに逆サイドからエウベルがヘディングシュート、GK東口順昭がはじいたボールを右から渡辺皓太が折り返し、西村拓真が蹴り込んで同点とすると、61分にはエウベルが左からふわりと浮いたパスを送り、抜け出した水沼が落ち着いて決めて、あっという間にひっくり返した。

 横浜FMが5分で2点なら、川崎フロンターレは10分で3ゴールだ。ホームに北海道コンサドーレ札幌を迎えた一戦は、両者合わせて7ゴールの乱れ打ち。28分に札幌が相手のミスから青木亮太が決めて先制、42分に川崎Fも同じように相手のミスで家長昭博が蹴り込んで同点に。66分に札幌がCKから荒野拓馬が決めて突き放せば、川崎Fも69分に小林悠がアクロバティックなジャンピングボレーで決めて、またもや追いついてみせた。

 このあと、終盤の10分で川崎Fが一気にラッシュをかけた。86分に猛烈なプレスで相手のミスを誘って最後は小林が決めてついにリードを奪い、89分にも同じようにプレスで相手のクリアミスを誘ってからつなぎ、家長も自身2点目を決めて突き放す。ラストは90+6分、相手のFKを谷口彰悟がヘッドで前線につなぎ、マルシーニョが独走して決めきった。

 鹿島アントラーズの勝利は逆に、手堅いものだったと言えるだろう。京都サンガF.C.を迎えたホームゲーム。前半を0-0で折り返した50分に、樋口雄太の右CKをアルトゥール・カイキが中央でヘッドで合わせて先制。バック宙パフォーマンスで喜びを示した。これが決勝点となり、鹿島もきっちり勝ち点3を手にした。

 この結果、勝ち点34で横浜FM、33で鹿島、川崎Fが続く展開は変わらず。後半戦のしびれるVレースが楽しみになってきた。

 4位の柏レイソルはヴィッセル神戸に3-1できっちり勝って食らいつき、続く5位に浮上してきたのがサンフレッチェ広島だ。こちらも逆転勝利で、0-0で折り返した後半早々の54分、セレッソ大阪がブルーノ・メンデスのヘッドで先制したが、ここから広島がサイド攻撃を駆使して逆襲。野津田岳人が得意のミドルシュートを沈めて78分に同点とすると、7分後にドウグラス・ヴィエイラが自ら得たPKを決めて逆転。このまま逃げ切って、勝ち点を27にまで伸ばした。

 下位に目を移すと、最下位の神戸は柏に敗れたが、17位の湘南ベルマーレはFC東京に2-0で快勝。ゼ・リカルド新監督の初陣となった16位の清水エスパルスも3-1でアビスパ福岡を下して、後半戦へ向けた「第2の開幕戦」で気持ちの良い再スタートを飾っている。他に、浦和レッズが名古屋グランパスに3-0で快勝し、リーグ戦では実に3月19日のジュビロ磐田戦以来、10試合ぶりの勝利となった。磐田もサガン鳥栖とのホームゲームで3-1と快勝。それぞれ勝ち点を18として、G大阪を抜いた。

川崎Fは最後にマルシーニョが独走して決めて5点目(写真◎J.LEAGUE)

浦和は10試合ぶりの勝利。3点目を関根貴大が決めて試合を優位に進めた(写真◎J.LEAGUE)

■J1第17節の結果

■6月18日
鹿島 1-0 京都
得点:(鹿)アルトゥール・カイキ

湘南 2-0 FC東京
得点:(湘)池田昌生、町野修斗

清水 3-1 福岡
得点:(清)西澤健太、チアゴ・サンタナ、ベンジャミン・コロリ(福)山岸祐也

磐田 3-1 鳥栖
得点:(磐)ファビアン・ゴンザレス2、鹿沼直生(鳥)宮代大聖

浦和 3-0 名古屋
得点:(浦)アレクサンダー・ショルツ、伊藤敦樹、関根貴大

3-1 神戸
得点:(柏)椎橋慧也、マテウス・サヴィオ、武藤雄樹(神)橋本拳人

川崎F 5-2 札幌
得点:(川)家長昭博2、小林悠2、マルシーニョ(札)青木亮太、荒野拓馬

G大阪 1-2 横浜FM
得点:(G)ダワン(横)西村拓真、水沼宏太

広島 2-1 C大阪
得点:(広)野津田岳人、ドウグラス・ヴィエイラ(C)ブルーノ・メンデス