明治安田生命J1リーグ第14節で注目カードの一つが、浦和レッズ対鹿島アントラーズ。ともに意地を出し合うカードだが、今回は浦和にとって「30周年記念試合」となる。J最速で観客1500万人も突破し、サポーターとともに歩む一戦に求めるのは絶対勝利だ。

上写真=リカルド・ロドリゲス監督は横浜FM戦で追いついた理由に、「サポーターと一体になったチームスピリット」を挙げた(写真◎J.LEAGUE)

鹿島の2トップは「Jリーグで最も強烈」

 5月21日はライバルの鹿島アントラーズが相手だ。6試合もドローが続いているという展開や、前節でJ最速の観客1500万人を達成した直後であること、しかもこれが30周年記念試合であることも踏まえると、浦和レッズに求められるのは絶対勝利しかない。

「浦和のサポーターは勝ち点をもたらす存在です」とリカルド・ロドリゲス監督。「この前も0-3になってからも応援し続けてくれたから、3-3という結果になりました」。5月18日の横浜FM戦で前半に3点を奪われる展開から、後半にキャスパー・ユンカーのハットトリックでドローに持ち込んだのは、サポーターのおかげと感謝する。「サポーターと一体になったチームスピリットを見せた」と、彼らもチームの一員であることを頼もしく感じている。

 そんなホームでの3連戦の最後に、鹿島がやってくる。2位と好調で、特に警戒すべきなのは最前線で勇躍する上田綺世と鈴木優磨。リカルド・ロドリゲス監督の言葉を借りれば、「Jリーグで最も強烈な2トップ」である。

「鹿島は決定力の高い2トップがいて、強度の高いアグレッシブなチームです。ダイナミックなプレーをして予測も難しい」

 つまり、やっかいな相手というわけだ。

 横浜FM戦こそ3ゴールが生まれたが、それまでは1-1が2試合、0-0が3試合続いた。ゴールが足りない。

「安定して決め続けることを望んでいますが、チャンス自体は作っています。チャンスを作れずに得点できていないのであれば心配ですが、チャンスは作っていて、勝利に限りなく近づいていて、何か少し足りない、という状況です。それが運なのか決定力なのか流れが悪いというのか、どう表現していいかわかりませんが、ゴールを決めることだけがいまのチームに足りないと思います」

 その「運」が記念試合に巡ってくるか。

「私がレッズに来たときすぐに聞かされたのが、サポーターは鹿島を大きなライバルとして見ていて、鹿島戦の勝利をとても喜ぶのだということでした。去年のようにいいゲームをプレーしたいですが、まずは勝利を収めることが一番大事です。みなさんには喜んでスタジアムをあとにしてもらいたいので、みんなでまとまって勝利を収めたいと思います。勝利はいつも大事ですが、鹿島戦の勝利はサポーターにとってさらに大きな価値がありますから」

 足踏みしているが、勝てばJ1通算450勝、J1ホーム通算250勝でもある。鹿島とはホームでは2連勝中で、4試合連続負けなし(3勝1分け)と相性はいい。記念試合でライバルから勝利を奪って節目を飾る。そのためのゴールは、誰から生まれるだろうか。