「大切なのは、レイソルのエンブレム」
――今回のアシストには、優れた個人技だけでなく、周囲との連係しながらのプレーも光るサヴィオ選手の持ち味が凝縮されています。
S ピッチ上での連係につながる話としては、小さい頃から両親に、周りとの調和が大事だと教えられてきました。プレー面では2019年に日本に来たときから、チームメイトとコミュニケーションを取るために日本語を勉強しています。ピッチ上で相手が言いたいことを理解し、自分も伝えたいことを伝えるためには、コミュニケーションが大切です。守備を固めるときなどに指示ができれば、チーム力はアップしますから、語学は非常に重要です。
――プレー中、どんな日本語を使っているのですか?
S ヒダリ、ミギ、マッスグ、マーク、キリカエ、などです。ピッチ上で、特に自分たちの守備陣形を整えるために必要な言葉ですね。
――2020年はJ1リーグ出場が6試合、21年は20試合と、過去2年間は負傷欠場が多かったですが、今季は開幕から先発出場を続けています。
S 足首の手術を2回受けた過去2年間は、フィジカル面だけでなく、メンタル面でも非常に難しい時期でした。試合に出られない、チームに貢献できない。チームメイトと一緒に練習をすることもできない。それでも気持ちを強く持ち、ケガをする前のようにプレーできることを信じて、リハビリに耐えました。私も復帰に向けて日々頑張りましたが、レイソルのリハビリ担当のスタッフにも、とても感謝しています。今季こうやって開幕からプレーできているのは、周りのサポートのおかげです。
――今季から背番号が10番に変わったことも、良い影響をもたらしているのでしょうか。
S 私にとって大切なのは背番号ではなく、胸につけているレイソルのエンブレムです。レイソルの勝利に貢献することが最も重要で、それは背番号が何番でも変わりません。
――子どもの頃にあこがれていた、影響を受けた選手は誰ですか?
S 父のルイス・ペドロ・サヴィオです。サンパウロ州のボタフォゴの下部組織でプレーしていて、残念ながらプロにはなれませんでしたが、私は父の背中を見ながら成長し、プロという父の夢を実現することができました。子どもの頃から、常にゴールの近くにポジションを取るように言われてきて、現在も私のプレーのインスピレーションのベースになっています。
――サヴィオ選手自身も昨年5月、第一子となる長男が誕生して父親となり、もうすぐ1歳になります。同じようにサッカーを教えたいと思いますか?
S 息子のベンジャミン・フローレス・サヴィオは、大きな愛情を注いでいる大切な存在です。ボール遊びがすごく好きなんですよ。将来サッカー選手になりたいのならサポートしますが、違う職業を目指すのであっても、しっかり支えていきます。
――柏のファン・サポーターの印象は?
S あれだけ熱狂的な皆さんに支えられていることには、本当に感謝しかありません。とても誇りに思っています。
――最後に、そのファン・サポーターの皆さんへのメッセージをお願いします。
S いつも私たちを後押ししてくれることに感謝しています。これからも我々に力を与えてください。チームメイトとともに全力で戦い、皆さんに喜んでもらえるように頑張っていきます!
――覚えた日本語でもメッセージをお願いできますか?
S ワタシハ、マテウス・サヴィオです。セバンゴウハ、ジュウバンデス。カシワレイソル、ガンバッテクダサイ!
取材・構成◎石倉利英 写真◎J.LEAGUE
※本文中の数字はすべて5月13日時点
Matheus Goncalves SAVIO(マテウス・ゴンサウヴェス・サヴィオ)◎1997年4月15日生まれ、ブラジル出身。母国のフラメンゴ、エストリル(ポルトガル)などでプレーしたのち、2019年7月にフラメンゴからの期限付き移籍で柏に加入。明治安田生命J2リーグで19試合7得点の活躍を見せ、J1昇格に貢献した。翌年に完全移籍。来日4年目の今季はJ1で開幕から第13節まで全試合に先発出場して3得点。C大阪戦で見せたようなドリブル突破やパスなどチャンスメークでも力を発揮し、攻撃の中心となっている。175cm、74kg