上写真＝堀米勇輝が川井健太監督とハイタッチ。お互いに大きな信頼を寄せている（写真◎J.LEAGUE）
■2022年5月8日 J1リーグ第12節（味スタ/15,822人）
FC東京 0-1 鳥栖
得点者：（鳥）堀米勇輝
「違いを出してくれています」と川井監督
「鳥栖さんのゴールは素晴らしい、評価に値するシュートから生まれました」
敵将であるFC東京のアルベル監督も認める美しいFKだった。81分、ゴール正面の20メートルほどの距離で得たFK。右の福田晃斗か左の堀米勇輝か。
自慢の左足を振った堀米が、ゴール左上にボールを送り込んだ。
「素直にうれしいです。でも、これに満足せずに次も決めたい」
アウェーで勝ち点3を手にしてFC東京と順位をひっくり返す一発になったが、試合後にはとても静かに歓喜の瞬間を振り返った。
「うちには素晴らしい分析スタッフがいて、キーパーの情報は頭に入っていました。非常に動きやすいということだったので、枠に蹴れば入るなと思って蹴りました」
とてもリラックスして柔らかく送り込んだキックに、名手ヤクブ・スウォビィクが一歩も動けなかった。
「キックの質を上げることは常に練習から取り組んでいて、今日はうまく結果として出ました。セットプレーはいまのサッカーにおいては大事な武器になるので、キッカーを任されている分、精度はこれからももっともっと上げていきたい。自分たちは積極的にプレーするチームで、そういう機会も増えるので、責任を持って取り組みたい」
今季から加入すると、開幕から先発出場を続け、前節で初めて途中出場だったが、順位が一つしか変わらないFC東京との重要な6ポイントマッチで再び先発へ。
「彼の左足は非常にクオリティーが高いですが、ただそれだけではなくてハードワークをして違いを出してくれています。でも彼はこれで満足しないと思います。今日はとても良かったし、続けていってほしい」
川井健太監督も大きな信頼を寄せている。
「監督から相手を見てサッカーをすることとスペースを理解することを言われていて、自分の中で意識して理解しようとしています。あとは楽しむように言ってもらっています」
川井監督によってプレーを楽しむことを思い出させてもらった背番号44が、その技巧的な左足でこれからも鳥栖の攻撃を引っ張っていく。
取材◎平澤大輔 写真◎J.LEAGUE