川崎フロンターレがAFCチャンピオンズリーグ(ACL)で敗退というまさかの結果に、衝撃も大きい。レアンドロ・ダミアンは3試合出場で2ゴールという記録を残したが、学んだものを生かさなければ意味はないと、国内3冠のために力を尽くしていく。

上写真=レアンドロ・ダミアンは蔚山戦で2ゴール(写真◎KAWASAKI FRONTALE)

「同じことを繰り返してはいけない」

 3試合出場2ゴール。レアンドロ・ダミアンが2022年のACLで残した記録である。

「グラウンドの状況が悪くて思い通りのプレーができない中で、3試合で2ゴールすることはできました。もっと決めることはできたと思いますが、それでもこの2点は大きな結果になりました」

 その2ゴールはどちらも第5節の蔚山現代戦で奪ったものだ。0-2のビハインドから盛り返す最初のゴールは40分に生まれた。蔚山が守備陣形を低く構えたことでセンターバックの谷口彰悟がフリーになり、右寄りから左へとクロス。マルシーニョがヘッドで右ポストの前に送り込むと、レアンドロ・ダミアンが確実に右足のインサイドで押し込んだ。

 後半開始早々の47分にまたもや失点を喫し、ここからは攻めに攻めた。ようやく実ったのが90+2分のことで、知念慶の左からのクロスを中央で谷口彰悟がヘッド、これをレアンドロ・ダミアンの右足のボレーでたたくと、相手をかすめてゴール右へと決まった。

「2点目は、スコアを追いかける形でプレーする中で、引き分けを求めていって取れたゴールだったのでうれしかった」

 あきらめることなく2点差を追いつく強い気持ちを全員で持って奪いきったゴール。そこに大きな意味を見出していた。

 しかし、もう1点が足りなかった。

「いい試合はできたと思っています。結果として1敗はしましたが、内容としてはいいゲームをこなすことができました」

 手応えがあったからこそ、突破できない歯がゆさは残る。2位に入っても5グループの2位チームの中で成績上位の3チームに入らなければならず、しかも4位チームとの成績を考慮しないで比較するという今回の特別なルールに翻弄された側面もある。

「今回の大会で自分たちは大きなものを学びました。あのような敗戦をしてはいけないのです。同じことを繰り返してはいけないですし、それはみんなが理解しています。同じことが起きないように、日々のトレーニングの中でできることを最大限やっています」

 ここからは国内3冠がターゲットになる。大きな目標の一つであるリーグ3連覇へ向けて、5月7日の清水エスパルス戦から再スタートだ。そこではまた、背番号9のたくさんのゴールが必要になってくる。