ヴィッセル神戸が1日、AFCチャンピオンズリーグ(ACL)のグループステージ(GS)最終戦、傑志との試合に臨んだ。すでに2位以内が確定し、決勝トーナメント進出が決まっていた神戸はドローで試合を終えたが、J組1位でGSの日程を終えた。

上写真=2カ月ぶりにピッチに帰ってきた武藤嘉紀。チームの2点目を挙げた(写真◎AFC)

■2022年5月1日 ACLグループJ第6節(@ブリーラムシティ)
傑志 2-2 神戸
得点者:(傑)デヤン・ダムヤノビッチ、ラウル・バエナ
    (神)リンコン、武藤嘉紀

アジアの舞台でチームが成長

 ボールを握るものの、なかなかゴールを奪えず、前半の神戸は攻めあぐねた。それでも前半終了間際に山口のパスを受けたリンコンがボックス内で倒されてPKを獲得。これをリンコンが沈めて1点をもぎ取った。

 ところが、直後の前半のアディショナルタイムに大崎がボックス内で不運な形でハンド。相手にPKを権献上し、前半は1点ずつを取り合って後半を迎えることになった。

 スタートから山口に代えて櫻内、64分には3枚替え(小林→大迫、中坂→郷家、リンコン→武藤)で先手を打って、スコアを動かしにかかった神戸だが、その後もゴールを挙げられない時間が続いた。

 試合の残り時間が少なくなる中、この日、3月2日以来2カ月ぶりに公式戦に復帰した武藤が早速インパクトを残す。87分、右CKの場面で井上の蹴ったボールを頭でとらえ、見事にネットを揺らしてみせた。武藤の復帰戦ゴールが決まり、残り時間を考えても神戸がそのまま勝ち切るかと思われたが、粘る傑志に、まるで判で押したように前半の形を再現された。

 90+1分に左CKからラウル・バエナに決められて、同点に。前半は神戸がPKで先行した直後にPKで追いつかれたが、後半もCKから勝ち越した直後に同じくCKから決められてしまった。

 試合はそのまま2-2で終了した。すでに2位以内が確定し、決勝トーナメント進出を決めていた神戸だが、有終の美は飾れず。しかし、2勝2分けの負けなしで、首位でグループステージを締めくくった。

「自分たちはスタンダードを示せたのではないかと思います。1位通過に値するプレーができた。もちろん試合を通してミスすることもありましたが、それでも及第点だととらえています。今日の試合についても、91分に相手の素晴らしいゴールで追いつかれて、彼らが次のラウンドに進むチャンスを得ました。それについては素直におめでとうと伝えたい」

 大会直前に就任したロティーナ監督は、ACLの戦い通じてチームを知り、自身の考えるコンセプトを浸透させたいとの考えを語っていた。試合後のコメントからは確かな手応えを感じていることが伝わってくる。

 J1では目下、10戦未勝利で最下位に沈む。アジアの舞台で手にした自信を携え、今度は国内でも勝利を手にして、浮上を目指す。