AFCチャンピオンズリーグ(ACL)のグループステージI組は、4月30日にいよいよ最終戦。川崎フロンターレは広州FCに対して1-0で勝利を収めて、今大会3勝目を挙げた。同時刻に行われていたジョホール・ダルル・タクジム(JDT)対蔚山現代はJDTがアディショナルタイムのオウンゴールで2-1で勝ち越し。川崎Fは2位で終え、他グループの結果次第で次ラウンド進出の可能性を残した。

上写真=知念慶が今大会3点目を決めて、1-0の勝利の立役者に(写真◎AFC)

■2022年4月30日 ACLグループI第6節(タン・スリ・ダトー・ハジ・ハッサン・ユヌス・スタジアム)
川崎F 1-0 広州FC
得点者:(川)知念慶

決定機は多いものの1点どまり

 川崎フロンターレが1-0でリードしたまま試合終了のホイッスルが鳴ったころ、グループIのもう一方の試合、JDT対蔚山現代戦が劇的なフィナーレを迎えていた。JDTがアディショナルタイム4分にオウンゴールで勝ち越して、2-1で勝利を収めたのだ。これでJDTが勝ち点13としてグループ1位を決め、川崎Fは11で2位に滑り込み、蔚山現代は10で3位となった。

 前節に蔚山に2-3で敗れて3位に転落していた川崎Fは、グループステージの自力突破が消滅。そのため、この最終戦の目的はシンプルで、とにかく勝ち点3を手に入れるだけだった。そして、その通りの結果を残して2位の座を確保した。次ラウンド進出のためには東地区の5グループの2位チームの中で上位3チームに入る必要があり、しかも各グループで最下位のチームとの試合結果を反映させずに比較するため、最終的な突破の可否は他グループの最終結果を待つことになる。

 広州戦は前節から9人を入れ替えて臨んだ陣容でも、キックオフから攻めっぱなしだった。若手主体の広州はここまで全敗、得点は一つもなく失点は23、前回対戦では8-0で勝っていて、力の差は歴然だった。それでも前半の川崎Fのゴールは1点のみ。14分、右サイドバックに入った瀬古樹の横パスを小林悠が前にフリック、受けた知念慶がターンして前を向き、最後は右足で冷静にゴール左に流し込んだ。

 広州が最終ラインに5人、その前に4人を並べて低く構えて守るだけに、なかなかスペースがない。グラウンドコンディションが悪く、パスも微妙にずれていって、終始ボールを握るもののゴールを割れない。後半も決定機は小塚和季のFKや小林悠のボックス内からのフィニッシュ、知念が走り込んでゴール前で角度を変えたシュートやマルシーニョが抜け出してからのループなど数多かったが、いずれも決まらなかった。

 終盤には大雨がたたきつけ、ベンチスタートだった谷口彰悟、家長昭博を投入して1点を守り抜く展開となり、なんとか勝ち点3を死守する形になった。それでも、しっかりとミッションを遂行して可能性を残したことは大きい。