上写真=鬼木達監督と松井蓮之が、最後まであきらめないチームの姿勢を代表して示した(写真◎KAWASAKI FRONTALE)
「勝たなければ何も生まれない」
川崎フロンターレが戦うグループIは、第5節を終えて地元のジョホール・ダルル・タクジム(JDT)が勝ち点10で首位、韓国の蔚山現代も同勝ち点で2位につける。川崎Fは勝ち点8で3位。今大会は2位に入っても5グループの中で成績上位の3チームに入らなければ次ラウンドに進むことはできない。しかもグループJで上海上港が棄権したことで、公平を期すために、2位チームの成績を比較する場合には各グループで最下位のチームとの結果は考慮されないことになっている。
グループIでは広州FCの最下位が決まっており、川崎Fの次の相手はその広州。自力での突破が消えたいま、できることはとにかく勝ち点3を奪ってグループ2位を確保すること。あとは、他グループの結果を待つことだけだ。
松井蓮之は出場すれば、第2節の広州戦以来となる。
「多少のプレッシャーや気負いはチームとしてあるかもしれませんが、負けられない戦いだから、どういう形でも勝つことがグループステージ突破の可能性を切り開くことになります。(プレッシャーは)気にしないというと嘘になりますが、全員の力を出して自分たちの良さを出せば絶対に勝てると思います」
左サイドバックとして先発した松井にとってそのゲームはACLデビューだったが、気負いがあったか、激しいプレッシャーがファウルとなり開始10分で警告を受けた。このため、前半の45分のみのプレーに終わっている。
「自分の良さを出そうとしすぎました、その経験から同じことをしてはいけないし、自分の良さを出しつつ、どんどんアグレッシブにプレーしたい」
勝利と自らのパフォーマンスを追い求める90分になりそうだ。
前節の蔚山現代戦での黒星に「簡単に立ち直れるかといえば、すごく大きなショックでした」と明かす鬼木達監督にとっては、チームを立て直す手腕を自分自身に問う。
「この大会に限らず、いつもどんなゲームでもプレッシャーのないゲームはありません。明日もそういうゲームだし、いま大事なのは相手よりも自分たちの姿勢であり、リバウンドメンタリティーをどれだけ出せるかです。それが個人とチームの成長につながっていきます。自分も選手とともに進んでいきたいし、自分がそれを選手に促せるかどうか、しっかり戦う準備をしたい」
鬼木監督が「勝たなければ何も生まれないので、勝つことだけに集中したい」と言えば、松井も「あきらめている選手は誰一人としていません。全員で勝つ気持ちで臨みたい」と引き締める。JDT対蔚山の試合結果、他グループの2位チームの動向など、気になることは多いが、それもまずは勝ってから。絶対勝利を胸に、ピッチに立つ。