セレッソ大阪の小菊昭雄監督が、負の歴史にピリオドを打つ決意を強調した。次節で対戦する鹿島アントラーズは、リーグ戦のホームゲーム9連敗中という相手だが、今季の実績を自信に、久しぶりの勝利に意気込んでいる。

上写真=鹿島戦に向けて前日練習の指揮を執った小菊監督(写真◎CEREZO OSAKA)

「歴史を変える一戦にしたい」

 C大阪は4月28日の明治安田生命J1リーグ第10節で、ホームで鹿島と対戦する。小菊監督は今週の練習を「強度と集中力の高いトレーニングができたと思っている。素晴らしい雰囲気の中で、全員が準備してくれた」と振り返った。

 3月から4月上旬にかけて公式戦で複数得点を奪う試合が続いたが、以降は得点力が落ちており、直近の公式戦2試合(4月17日のJ1第9節・アビスパ福岡戦と、23日のJリーグYBCルヴァンカップ・ガンバ大阪戦)は、どちらもスコアレスドローに終わっている。改善に向けての練習内容を、指揮官は「攻撃の優先順位、ビルドアップして前進していくところの共通理解や、ファイナルゾーンの崩し、シュートの決定力などを、リスタートを含めて共有してきた」と明かした。

 その上で、攻撃の優先順位について「相手が一番嫌がることを徹底する。まずはディフェンスラインの背後で、前にボールをつけていく。そこが一番大事だと思っている」と説明。より積極的な姿勢が必要だとして「もちろんボールは大事にしなければいけないですが、常にゴールを目指す。大胆にミドルシュートで終わる、トライする。そういった強気の姿勢も大事になってくる」と続けた。

 得点力アップに向けては、負傷離脱から復帰し、直近のルヴァンカップで先発復帰を果たしたMF清武弘嗣の存在もカギを握りそうだ。「ビルドアップが安定していて、ボールを前進させていく上で、中心選手として大きな役割を担ってくれている。そこからファイナルゾーンに入ったときに、彼のアイディアやクオリティーの高さが大きな武器になる」と評した小菊監督は、「明日はゲームを作りながら、最後はアシスト、ゴール、最後の質のところでチームを引っ張ってほしい」と期待を寄せた。

 鹿島とのリーグ戦のホームゲームは2011年以降、昨季まで9連敗中だが、小菊監督は「そういった過去のデータは気にしていない」ときっぱり。今季のJ1第4節で清水エスパルスを3-1で下し、J1では04年以来となるアウェーでの勝利をつかんだり、J1第6節で川崎フロンターレにアウェーで4-1で勝ち、相手のホーム無敗記録を25試合で止めたことなどに触れ、「今年のセレッソは歴史を変えるチームに成長していっていると思う。まさに明日、歴史を変える一戦にしたい」と自信をのぞかせた。