AFCチャンピオンズリーグ(ACL)のグループステージH組で、横浜F・マリノスは4月22日にシドニーFCとの第3節に臨んだ。90分を通して両者ともミスが続いて思うように試合を運べなかったが、80分にCKから最後は角田涼太朗が蹴り込んで先制。これを守りきってなんとか勝ち点3を奪い取った。

上写真=決勝ゴールを決めた角田涼太朗(右端)を仲間が祝福。苦しみ抜いた末の貴重な一発だった(写真◎AFC)

■2022年4月22日 ACLグループH第3節(トンニャット・スタジアム)
シドニーFC 0-1 横浜FM
得点者:(横)角田涼太朗

交代選手3人が絡む決勝点!

 苦しかった戦いを喜びに変えたのは、角田涼太朗の右足だった。

 80分の左CK。水沼宏太がニアに送り、西村拓真がヘッド、レオ・セアラがつないで混戦になってからこぼれたボールが角田の目の前へ。浮いたボールに軽くジャンプしてから迷いなく右足を振って、ずばり蹴り込んだ。62分にピッチに入り、70分には水沼の右からの折り返しに利き足の左でフリーで合わせながら左に外していただけに、ミスを帳消しにして勝ち点3を奪い取る「逆足の一撃」になった。

 前節で全北現代に0-1で敗れ、この日はその全北が先に試合を終えて勝ち点3を積み上げていた。横浜FMにとっては余計に負けられないゲームだった。ところが、苦しんで苦しんだ。

 母国のクラブとの対戦となったケヴィン・マスカット監督は、中盤の底に渡辺皓太と藤田譲瑠チマを先発で起用。ボールを動かすことが持ち味の2人を並べた効果は表れ、どんどんと左右に散らしていった。序盤は仲川輝人と永戸勝也の左サイドの動きがよく、外から攻めていく。しかし、何かがおかしい。短いパスが少しずつずれて、シドニーFCに引っ掛けられるようになる。そこからカウンター狙いの相手に裏返されるようになり、決定機を与えてしまう。

 14分、中盤のルーズボールをマックス・バージェスに拾われてそのまま中央を割るスルーパス、アダム・ルフォンドルに抜け出されてシュートに持ち込まれた。ここで立ちはだかったのが、GK高丘陽平。鋭い出足で間合いを詰めて止めてみせた。

 前半で目立ったシーンはこれくらい。どちらも動きが重くミスをミスで返すような低調な45分だった。それは後半も変わらない。助かったのはシドニーFCの拙攻だった。前半よりもさらに前に出るパワーを失っただけに、危険なシーンはほとんどなし。とはいえ、横浜FMもボールの流れがスムーズになってきた55分前後に仕留めきれずに、0-0のまま時間だけが過ぎていった。

 どちらも交代選手を次々に送り込む消耗戦で、ゴールに近づくことも難しくなっていた。それでも岩田智輝が左深くに入り込んでから得たCKで、水沼が蹴って、角田が仕留める貴重な貴重な先制点。交代選手が貴重な仕事をして、この1点をなんとか守りきった。

 首位の全北と1ポイントの差を保って、グループステージを折り返した。中2日で再びシドニーFCと戦うリターンマッチで、もう一度勝ち点3を積み上げたい。

【Next Game】
4月25日(月)20時 横浜FM vs シドニーFC DAZN独占配信