上写真=初戦の蔚山戦へ向け、取材に応じた鬼木達監督(写真◎スクリーンショット)
5度目のチャレンジ
川崎FのグループIには蔚山、JDT、広州FCが同居する。ACLに「簡単な試合はない」という鬼木監督は今回のグループについて、「すごく難しいグループという思いもあります。蔚山には昨年、自分たちは負けていますし、前回と違い、地元のクラブがあるというのも大きな違い。気持ちの部分を全員でそろえていかないといけない。広州に関しては情報もほとんどないですし、難しい状況だと思っています。ゲームの状況や大会全体を通してどういう状況で進んでいるのかを把握しながらやりたい」と語った。
JDTは地元マレーシアのクラブで地の利がある。広州FCは今年1月の公式戦の情報はあるものの、現状がどういうチームなのか未知数な部分も多い。そして初戦を戦う蔚山には昨季、ラウンド16で対戦し、PK戦の末に敗れることになった。指揮官が警戒するのも当然だ。大会を勝ち抜く難しさについて問うと、「分かっていても」という部分があるのがACLとの答えが返ってきた。
「ずっと分かってはいるのですが、難しいと感じるものがあります。分かっていても、というのは、そのままの言葉なんですが、たとえば球際でこぼして、一発の強い振りで点を入れられてしまうことがある。何でもないところから、ゴールが生まれるのがACLだと思います。89分間、集中していても、一つのロングボールだったり、一発のクロスだったり、そういうものでゲームが変わってしまうのが、この大会。あとはレフェリーのジャッジの部分でも、自分たちが思っているものとは違うことが突然、起こり得る。ですから色んな意味で、そういうメンタル的な対応が重要になる。どんなときもスキを見せない、なおかつ、そういうスキは必ずどのチームにもあるので、自分たちとしてはそこをしっかり突けるかどうか」
スキを見せずにスキを突く。当然の心構えだが、そのことを改めて肝に銘じてACLは臨む必要がある。鬼木監督は2017年の就任以来、2020年を除き、毎年、アジアで戦ってきた。J1、天皇杯、ルヴァンカップと国内タイトルを手にしてきたが、アジア制覇は成し遂げられていない。今季の目標は国内のすべてのタイトルを獲るとともに、アジアの頂点に立つことだ。
「研ぎ澄ましてやれるかどうかだと思います」
鬼木フロンターレにとって、5度目の正直。今夜18時、蔚山戦からアジアナンバー1を目指す戦いがスタートする。