今年3月に清水エスパルスに加わったFWオ・セフンが、前節の浦和レッズ戦(J1第7節・4月6日)でJリーグデビューを飾った。後半途中でピッチに登場すると、ターゲットとして、第1ディフェンダーとして持ち味を発揮。今後、チームにポジティブな変化を加える存在となりそうだ。

上写真=4月6日の浦和戦でJデビューを飾った清水のオ・セフン(写真◎J.LEAGUE)

クロサーを生かすフィニッシャー

 5戦未勝利という事実は、清水にとって厳しい結果だ。しかしながら浦和戦の後半に見せた攻撃は相手に脅威を与え、今後、有効な攻め筋となる可能性を感じさせた。

 サイドから山原怜音、原輝綺がクロスを供給して相手ゴールにじりじりと迫った。そのターゲットとなったのが、新加入のオ・セフンである。

 61分に登場するとボックス内で相手と競り合い、ボールを収め、ゴールを狙った。身長は193センチ。体重は85キロ。屈強な浦和守備陣の中でも持ち味を発揮してみせた。

「守備でも献身的にやってくれましたし、まずは日本に来て間もなく、ゲームもやっていない状況でしたが、日々のトレーニングからチームのためにやってくれていました。その中で今回、試合に出て、しっかりボールを収めるところ、クロスに入っていくところを見せてくれた。得点の匂いがしていた」

 平岡宏章監督はそう言ってオ・セフンのプレーを評価した。3月18日にチームに合流したばかりの長身FWにとって浦和戦はJデビュー戦でもあった。初戦ながらその特長をピッチ上でしっかり示した。

「ずっと来たかった日本にやってきて、こういう素晴らしいスタジアムで、しかも多くのサポーターの方々の前でプレーできたことを幸せに思います。ビハインドの状態で、点を取ることを意識していました。守備面やポジショニング、ハードワークをすることも、しっかりやっていこうと考えてピッチに入りました」

 本人は日本デビュー戦をこう振り返った。そして「守備面でチームの約束事は少しできたと思います。ただチームメイトの特徴を知ること、自分の特徴やプレーお・スタイルを知ってもらうことという点では、まだお互い100パーセント理解をしているわけではありません。そこは試合を重ねて良くなっていくものだと思うので、これから効果が出てくると思います」と、さらなる向上を誓った。

 終盤にはCBのヴァウドが上がり、オ・セフンとともにパワープレーのターゲットになった。2人のエアバトラーの存在感は抜群で、相手が退場者を出したことも影響していたが、浦和守備陣を苦しめていた。今後はセットプレーの局面でも清水の大きな武器になりそうだ。清水が決めた浦和戦のゴールはデザインされたCKから最後はヴァウドが決めたものだったが(ショートコーナーからファーサイドに飛び込む形)、オ・セフンがいることでそのバリエーションは間違いなく増えるだろう。

 清水は攻撃面で有効なピースを手に入れた。何より指揮官もチームも、浦和戦を終えて連続未勝利ストップへの手応えを感じている様子が伝わってきた。明日10日のガンバ大阪戦で、6試合ぶりの勝利はなるかーー。