【柏】｢僕のせいで負けた｣中村慶太が振り返るあの瞬間。｢めちゃくちゃ悔しいですね｣

上写真＝中村慶太はマルシーニョを警戒してよく我慢していたが、一瞬を悔やんだ（写真◎J.LEAGUE）

■2022年4月9日 J1リーグ第8節（等々力/17,471人）
川崎F 1-0 柏
得点者：（川）レアンドロ・ダミアン

「保持する時間が短くなりました」

「足が速いのも知っていたし、45分は抑えられたと思います」

　柏レイソルの右アウトサイドで活躍中の中村慶太。川崎フロンターレと戦うこのアウェーゲームは、対面に構えるマルシーニョが俊足自慢ということは十分にわかっていた。前半の45分間は抑え込みに成功していた。しかし、アディショナルタイム2分に振り切られてしまった。

　相手のフリックパスが大きな弧を描いて裏に抜けてくる。

「うまく見ることはできていたと思ったんですけど、後ろをもう少し意識して、ボールにチャレンジするのでなくてカバーリングで遅らせることができたと思います」

　さらにギアを一段上げてきたマルシーニョに抜け出され、最後はレアンドロ・ダミアンに蹴り込まれた。

「僕のせいで負けた試合だと思っています」

　悔しさを真正面から受け止めた。ただその守備よりも、ネルシーニョ監督が強調した課題は、「ボールを動かさせてもらえなかった」というビルドアップの不具合だ。ここまでの好調は、ボールをつなぎながら相手陣内に運ぶことが基盤になっていた。しかし、この日は分断された。

「立ち上がりからプレスをかけられて、ロングボールが多くなり、保持する時間が短くなりました。僕自身もボールに関与することが少なくて難しかった」

　中村もボールを触る良さを発揮しきれなかったと自戒を込める。プレスを技術でしっかりはがす。次の目標が見えた。

「最低でも勝ち点1を持ち帰らなければいけなかった試合です。めちゃくちゃ悔しいですね」

　その思いがまたチームを強くする。

取材◎平澤大輔　写真◎J.LEAGUE