清水エスパルスは7日に行われたJ1第7節で浦和レッズと対戦し、1-1で引き分けた。相手に先行を許す苦しい展開のなか、同点ゴールを挙げたのがセンターバックのヴァウドだった。クロスボールに合わせてゴール前に飛び込み、豪快なヘッドを決めている。

上写真=同点ゴールを叩き込み、絶叫する清水のヴァウド(写真◎J.LEAGUE)

アディショナルタイムにもあわやのシーン

「相手が浦和という素晴らしいチームだったので、予想通り、難しい試合になりました。でも、最後の最後に得点を決めて勝ち点1を取れて良かった」

 敵地でPKによるゴールを献上し、先行を許す苦しい展開だった。とくに前半は相手にボールを握られ、清水は後手を踏む。だが、最終ラインの中央でプレーするCBのヴァウドを中心に集中したプレーで、追加点を阻止。相手の重層的な攻撃を耐えしのぎ、傷口を広げなかったことで後半の反撃につなげた。

 もちろん、相手に退場者が出て数的優位になったことは大きい(伊藤敦樹が53分に退場)。そこから清水はポゼッションでも盛り返し、敵陣への進入回数を増やしていたからだ。そして得たCKの機会にヴァウドの強烈なヘッドがさく裂した(69分)。

「コーナーキックのチャンスにショートコーナーというのは、練習でデザインしていたプレーでした。山原(怜音)選手が、良いボールを送ってくれたので、あとは自分が決めるだけでした」

 3度目の埼玉スタジアムで、2020年8月に続き、2得点目を決めた。「運がいいスタジアム」だとも本人は話し、「全て神様のおかげ」と感謝した。

 後半アディショナルタイムにも同じような場面を作り出している。右CKの場面でショートーコーナーを選択し、山原がファーサイドへクロスを送ると、ヴァウドが飛び込んだ。今度は枠をとらえることができなかったが、その空中戦の強さは特筆ものだ。この日は、193センチの長身FWオ・セフンも途中出場を果たし、試合の終盤には前線に上がったヴァウドともにツインタワーを形成した。パワープレーの迫力は圧巻で今後、清水の大きな武器になることを感じさせた。

 試合は結局ドローに終わり、清水は5戦未勝利となったものの、ヴァウド復帰後の直近3試合は、僅差の勝負を演じている。チームとして前進していると言っていいだろう。

「次も簡単な相手ではないと思います。ですが、自分たちのホームですし、サポーターの目の前で勝ちたい」

 中3日で迎える次戦の相手はG大阪。ヴァウドは6戦ぶりの勝利で、浮上のきっかけをつかむと誓った。