上写真=トレーニング中のアルベル監督(写真提供◎FC東京)
京都以上のインテンシティーを発揮したい
直近の2試合、J1第4節の広島(2-1)とルヴァンカップ第1節の磐田戦(0-0)は勝ち点を得ることができた一方で、内容面では課題も見られた。一つはボールを前進させることができなかった点だ。しかしアルベル監督は、「シーズンは始まったばかり。まだまだ道のりは長い」と語り、「新しいプロジェクトを始めたとき」には起こり得ることだと受け止めている。
広島戦では相手のハイプレスに苦しみ、とくに前半はボールを前に運ぶことができず、磐田戦は前に行く意識そのものが希薄になったと指揮官は振り返った。それらについて「改善すべき課題」と認めた上で、「いつも言っているように、これも成長する際のプロセス」とも指摘。「相手チームのプランによってわれわれが抱える課題というのは違ってきますから、それを一つひとつ打開して、成長していきたい」と話した。実際、今週のトレーニングではそれらの課題にフォーカスし、克服に努めたという。
新たな監督が就任し、新たなスタイルに取り組むチームにとって、勝ち点を得ながら課題に向き合える状況は理想的だろう。しかも、この1週間は日程がタイトになったこともあり、磐田戦ではここまで出場機会があまりなかった選手たちがプレーすることになった。層の拡充やコンセプトのさらなる浸透という観点からも、良い機会になったと言える。例えばGK波多野豪は今季初先発を果たし、無失点に貢献。本人はルヴァンカップで好プレーを披露し、リーグ戦出場にもつなげたいと意欲を口にしていたが、チームの総合力を高めていくための好循環が生まれつつある。
「選手たちにも伝えていますけど、私は選手選考の部分で自分の感覚を信じて選んでいます。その意味でルヴァンカップでの、今までプレー機会に恵まれていなかった選手たちの活躍に良い印象があります。そこから京都戦に出場する選手が現れることも不思議ではありません」
アルベル監督は選手を刺激し、競争を促してチーム力の向上を目指している。「チームの立ち上げ当初というのはメンバーは流動的になるものですし、なるべきだと思っています」とも語り、コンディションも踏まえ、今後も選手を入れ替えながらチームを前進させていくようだ。
磐田戦から中3日で臨む19日の京都戦については「相手はホームでよりアグレッシブ。インテンシティーが高いことが彼らの特長です。ただわれわれも同じ長所を持っていると思います。われわれも彼らと同等、それ以上のインテンシティーを発揮して試合を支配したいと思っています」と意気込みを語った。
高いインテンシティーでプレーし、前への意識を持ってボールを前進させていく。敵地だからといって構えることなく、アルベル・トーキョーの信条をしっかり表現するつもりだ。