FC東京の紺野和也が京都サンガF.C.を前にオンラインで取材に応じた。今季はここまでリーグ戦2試合で先発出場し、1ゴールをスコア。アルベル監督のもとで持ち前の攻撃センスを発揮しているウイングが今季にかける強い思いを口にした。

上写真=今季はリーグ3試合のうち2試合で先発を果たしている紺野和也(写真◎J.LEAGUE)

使ってくれれば結果を出せるというメンタルでいた

 法政大を卒業し、2020年にFC東京に加入して3年目。紺野は今年、背番号を38番から17番に変えた。

「3年目だし、背番号を変えようかなと。空いている番号の中で自分がいいと思ったのは17と19くらいで、親とか友だちとか聞いて、17に(笑)。自分としてはどちらもという感じだったので、周りの人に聞いて。今シーズン、終わったときに17が自分のものになっていればいいなと思っています」

 選んだ数字には特別な理由はないと本人は説明するが、「背番号変更」という決断には、これまで2シーズンとは違う1年にするという強い思いが詰まっていると映る。過去2シーズンはケガもあったが、思うように出場機会を得られなかった。ルーキーイヤーはJ1で9試合に出場したものの、先発はそのうちわずか1試合でノーゴール。そして2021年は3試合に出場したが、先発機会はなし。37節の広島戦で待望のゴールを決めたものの、1点だけでは満足できなかった。

「今年はまず第一の目標はケガせずに1年間やり切りたい。それに対してのケアというのも例年以上にしていますし、だから今、まだ100パーセントではないですけど、ある程度いい状態にコンディションを保てているのかなと思います。今年の活躍でこのまま上がっていけるか、それともこのまま微妙な感じで終わってしまうのか、というのもあると思う。今年、本当に自分の中では大事な1年なので、1日1日を大切に過ごしていきたいと思います」

 浮上できるか、沈むのか。今季がその分かれ目だと本人は認識している。その強い思いはプレーにも表れ、ここまでリーグ戦3試合に出場し、うち2試合で先発。3節のセレッソ大阪戦では敵地で決勝ゴールをスコアした。

「去年、一昨年はケガだったり、試合で使ってもらえなかったり。でもずっと自分の中で使ってくれれば、ある程度、結果を出せるのにな、というメンタルではいました。そのなかで今年は試合で使ってもらえる機会が増えてきています。まだ1点しか取れていないですけど、もっと取れる感覚があります」自分の中で使ってくれれば、ある程度、結果を出せるのにな、というメンタル

 大学時代にしのぎを削り、2019年のユニバーシアードで優勝した三笘薫や旗手怜央、林大地らは一足先にJリーグで結果を出して海を渡った。田中駿汰、高嶺朋樹、金子拓郎(以上、札幌)、山川哲史(神戸)、山本悠樹(G大阪)、明本考浩(浦和)ら多くの同世代の選手たちが各クラブで主軸を担う。文字通り『豊作』と言われる1997年生まれ(98年早生まれ)の選手のなかでも、紺野は切れ味鋭いドリブルで存在感を発揮していた。

 2022年は、この2年間苦しく悔しい時間を過ごした紺野が、その力をいよいよピッチで示す番だろう。