浦和レッズが5試合目にして得た今季初勝利で、気持ちは前向きだ。過密日程も一段落、ほとんどの選手が戻ってきて、落ち着いて準備ができた1週間だという。リカルド・ロドリゲス監督が目指す「完全なチーム」に向けて、改めてスタートを切った。

上写真=リカルド・ロドリゲス監督は鳥栖戦へ「押し込んだところでのプレーを確認した」という(写真◎J.LEAGUE)

「ここから連勝したいと思います」

 浦和レッズが初勝利までに5試合もかかるというのは、少し意外だった。それでもリカルド・ロドリゲス監督の表情は明るい。

「これまでも11人対11人の状況では、相手にダメージを与えながら上回り、相手より勝利に近い状態でプレーできていたと思います。そこが、内容で上回られる試合もあった去年とは違うところです。試合を見ていても感じることですし、スタッツを見ても相手より良い数値を残しています」

 ピッチでの感覚とデータが寄り添うように、内容が悪くはないことを証明している。

「退場者が出て出場停止の選手がいたり、ケガ人がいて、選手が少ない中で戦ったことを考えて総括すると、ポジティブに感じています。メンバーが揃ってきたので、ここから連勝したいと思います」

 1勝1分け3敗で、順位表の上では7位だが、多くのクラブが3試合のみの消化だから、落ち着いてもいられない。それでも、湘南ベルマーレから得た初勝利は気持ちを前向きにする。

「(湘南戦は)真剣な姿を見せたゲームで、相手より多くチャンスを作りながら勝った試合で良かったと思います。内容がいいけれど勝利できないときは、ストレスになったり迷いにつながったり自信の低下を招いたりすることはありますが、パフォーマンスを結果につなげていけば精神的に良い状態になりますし、自信も取り戻すことができます」

 その先に目指すのは「完全なチーム」だ。

「今後も成長し続けて、攻撃でも守備でも強さを見せながら完全なチームになりたいと思っています。攻守両方ができないと、上を目指すことはできません」

 新加入のMFダヴィド・モーベルグも合流し、ほとんどの選手がトレーニングに参加した1週間。サガン鳥栖とのアウェーゲームに向かう準備にじっくり充てることができたという。

「J1で優勝したいなら、アウェーでいい内容のゲームをしながら勝利につなげることが必要です。去年はアウェーでの勝ち点が少なかったので、安定性が欠けていたのかもしれない」

 2021年のアウェーゲームは6勝5分け8敗、1試合平均勝ち点は1.21だった。2017年から振り返ると、1.35、1.23、1.29、1.58と、確かにここ5年で昨季が最も少ない。今年もすでに京都サンガF.C.と川崎フロンターレに敗れている。

 だから、鳥栖戦の持つ意味は大きい。勝利のためには「安定した強さと決定力が必要です」ときっぱり。アウェー初勝利を手にすることができれば、一気にこれまで失った勝ち点を取り戻す勢いが出るはずだ。