上写真=16分、江坂任が強くて速いシュートで決めきって、先制ゴール!(写真◎J.LEAGUE)
■2022年3月6日 J1リーグ第3節(埼玉/19,144人)
浦和 2-0 湘南
得点者:(浦)江坂任、馬渡和彰
(湘)なし
「内容は良いんだからと言い聞かせて」
「決めきれない試合が続いていて、自分にも責任を感じていたので、自分のゴールで勝ててホッとしています」
江坂任から、ようやくリラックスした笑顔がこぼれる。16分に決めた今季リーグ戦初ゴールで浦和レッズが先制、その後も危なげなく試合を運んで、87分の馬渡和彰の追加点で勝利をものにした。
ここまで1分け3敗で、勝利の喜びを味わうことができていなかった。誰の口からも「内容は悲観するものではないが、決めきれなくて…」の言葉がこぼれてくる。「内容は良いんだからと言い聞かせて、結果を出すしかないと強い気持ちで入った」試合で、ついに自ら決めきって勝利を手にしたのだから、全試合に先発してきたアタッカーにとっては最高の1日になった。
しかも、そのゴールが美しかった。ボールを動かしながら一度、最終ラインに戻し、アレクサンダー・ショルツが顔を上げると、相手のDFの手前、MFの背中側の中間ポジションに顔を出した江坂にずばりと縦パスが通る。ターンしてから左の裏に滑り込ませると大畑歩夢にぴたりと合って、そのままボックス内に忍び込んだ。そこに大畑からマイナスのセンタリングが送られてくる。右足インサイドでスマッシュショットを打ち込むと、GK谷晃生にぶつけながらもボールに伝えたパワーの方が上回って、ゴールに飛び込んだ。
「左サイドで歩夢とタカ(関根貴大)といい関係性ができていて、ショルツもいいボールを入れてくれました。タカがパスコースを作ってくれて相手か食いついて、歩夢もいいタイミングで走ってくれました。いい共有ができた素晴らしい崩しだったと思います」
自画自賛だ。ただし、フィニッシュには少し反省も。
「(大畑のパスは)ボールスピードがあったので、ふかさないように意識して、コースが甘くなったけど入ってくれと願ってました」
勝てない中での試合は難しい。だが、貫いた。
「結果だけにこだわって内容を変えたら、積み上げたものがなくなるので、内容を含めて継続していこうと」
チームとして、そこだけは変えなかった。
「しっかりボールを握って相手の嫌なところを突いていく攻撃ができたので、そこは自信になりますし、勢いが出てくると思うので、次に生かしたい」
難しい5連戦のラストに、気持ちのいい勝利を手にできた意味は大きい。
取材◎平澤大輔 写真◎J.LEAGUE