3月6日に行われた明治安田生命J1リーグ第3節の浦和レッズ対湘南ベルマーレ。どちらもリーグ戦で白星がなく、初勝利を目指して戦う90分になった。16分に江坂任が早々に決めて先制した浦和が終始、ゲームをコントロール。湘南の反撃も抑え込んで87分に馬渡和彰が追加点と、理想的な試合運びで今季初勝利を手にした。

上写真=大畑歩夢(左)のアシストで江坂任が先制!(写真◎J.LEAGUE)

■2022年3月6日 J1リーグ第3節(埼玉/19,144人)
浦和 2-0 湘南
得点者:(浦)江坂任、馬渡和彰
    (湘)なし

「リスペクトがありすぎて」と湘南・山口監督

 浦和レッズが5試合目にしてついに初勝利だ。湘南ベルマーレを迎えた第3節。前半に江坂任が決め、交代出場した馬渡和彰が終盤にカウンターから追加点を決めて、2-0でうれしい白星を手に入れた。

 春の冷たい強風が上空を舞うコンディション。前半は風上で戦った浦和が主導権を握りながら、湘南が迎え撃つ展開になった。先制点は16分と早かった。アレクサンダー・ショルツが縦パスを突き刺し、相手の最終ライン手前の絶妙のポジションで受けた江坂任が左へ、大畑歩夢がマイナスへ戻すと、江坂がそのまま右足インサイドで強くて速いショットを決めてみせた。相手の嫌がるスペースを見つけ、最終ラインからボールを動かしてテンポよく仕留める理想的なゴールだった。

 この後も相手陣内で相手ボールを回収し続ける浦和のペース。湘南はときおり町野修斗の強さと、小回りの利く瀬川祐輔のランで崩そうとするが、決定機は作れない。山口智監督は「アグレッシブさを出せる選手を選んだつもり」だったが、「浦和さんへのリスペクトがありすぎて、自分たちの良さを素直に出せない立ち上がりになってしまった」。そこで後半開始から米本拓司と永木亮太を投入して中盤を強化、すると全体が活性化されて浦和ゴールに迫っていく。

 一度は湘南の勢いを受けるような形になった浦和も、選手交代で流れを引き戻す。60分に馬渡和彰、小泉佳穂、大久保智明を一斉に投入、押し返された中盤に攻撃的な選手を加えることで、すぐにまたリズムをつかんだ。77分に馬渡、81分に江坂とゴールに迫り、その直後に湘南がウェリントンを最前線に入れて一発を狙いに来ると、浦和は犬飼智也を入れて5バックにして中央を固める盤石の状態で迎え撃った。

 すると87分、伊藤敦樹のループパスから裏に抜け出した明本が抜け出してキープ、味方が攻め上がる時間を作ると、左を駆け抜けた馬渡へ。角度はなかったが左足を鋭く振って、ニアサイドを撃ち抜く豪快な一発で、勝利を決定づけた。

 ようやく初料理を挙げたリカルド・ロドリゲス監督は「非常にいい試合でした」と満足。「チャンスは作れたし、決定的な場面を相手に作らせませんでした」と攻守ともに狙いがはまっての勝利を喜んだ。未勝利のままとなった湘南は、山口智監督が「迷いはなかったと思うが、ばらばらになってしまった」とチーム一丸で戦いきれない現状を振り返った。

現地取材◎平澤大輔 写真◎J.LEAGUE