上写真=リカルド・ロドリゲス監督は初勝利への思いを熱く語った(写真◎スクリーンショット)
陽性、ケガ人、退場者…
サッカーの真理の一つを説明するのに、川崎フロンターレは格好の相手だったかもしれない。浦和レッズは、2月12日の富士フイルムスーパーカップ2022では2-0で勝利を収め、3月2日のJ1第10節では1-2で敗れた。
「スーパーカップで勝ちましたが、内容はこの前(リーグ戦)の川崎戦のほうが良かったと思います。サッカーはゲームであり、内容が良くても勝てないこともあります」とリカルド・ロドリゲス監督は振り返る。
内容が良くない方の試合で勝って、良い方の試合で負けた。それもまたサッカーだが、「ここ3週間は異常と思える事態でした」ということを考慮に入れる必要もあるだろう。
「新型コロナウイルス感染症で陽性者が出て、ケガ人も退場者も出て、オウンゴールに近いような失点もありました。自分たちでコントロールできないことが起こりました」
難しい局面は続くが、コントロールできないことでもなんとか自分たちの力で乗り越えることが必要だ。リカルド・ロドリゲス監督はチームを率いる者として、選手たちに働きかける。
「重要なのは選手を落ち着かせることです。前線の選手が責任を多く感じないようにしなければなりません。選手たちもゴールを決めたいと思ってプレーしているわけですから」
4試合で3ゴールと少ないことが未勝利の要因だが、選手にどうやって自信を回復させるかは大きなポイントになりそう。
「メンタルの強さは大事ですが、まずは自信を失わないようにしなければなりません。それは、自分の内側にあるものであり、出たり入ったりするものではありません」
そのためにはやはり、貫き通すことが道しるべになる。昨年から植え付けてきた攻撃の信念を、改めて口にする。
「ある2つのチームが対戦して、10回のチャンスを作るチームと1回のチャンスを作るチームとで、その1回のチャンスで勝つ可能性もあるとは思いますが、やはり10回チャンスを作った方が勝つ確率は確実に高いと思っています」
とにかくチャンスを作り続けるまでだ。
今季初勝利は、3月6日のホーム、湘南ベルマーレ戦にかかっている。
「非常にやりにくい相手だと思います。5-3-2システムを長年使っていて、攻撃も守備も構造がしっかりしています。選手たちがたくさん走るチームで、非常に勝ちにくい相手だと思っています。まだシーズンの立ち上がりとは言え、そろそろ勝ち点3を取らないといけませんから、いいプレーをして勝ち点を積み重ねたい」
湘南も未勝利だから、同じように強い意志で勝利を狙ってくるだろう。
「ゴールを決めるところだけではなく、失点しないことも大事です。スーパーカップ以降、クリーンシートがないので、安定性も取り戻したい」
攻めて守って、初勝利を。ずっとフットボールの質の高さは保っているだけに、あとほんの少しのところまで来ている。