26日のG大阪戦でリーグ戦デビューを飾ったのが浦和レッズの宮本優太だ。J1で初めて先発メンバーに名を連ね、右サイドバックでプレーした。収穫もあれば、課題も見えた。酒井宏樹がベンチから外れるなか、同じポジションの大卒新人が感じたこととは何か。

上写真=G大阪戦に先発し、87分までプレーした宮本優太(写真◎山口高明)

もっともっと右から打開できないと

 攻守両面で大きなミスもなく、ソツなくプレーした。ルーキーのデビュー戦としては及第点の出来。それでも、試合後の宮本の表情は冴えなかった。0-1で敗戦したこともあるが、理由はそれだけではない。

「決定的な仕事ができなかった。もっと積み上げないといけないと感じました。(酒井)宏樹さんなら自ら打開できる場面も多かったと思いますが、僕は右サイドから打開できませんでした。左サイド頼みになっていた。(右サイドハーフの)松崎快選手ともっとコンビネーションを増やして打開しなければ、チームはうまく機能しないと思います」

 比較対象は浦和でレギュラーを張る右サイドバックは現役の日本代表。昨夏、フランスのマルセイユから日本に復帰し、Jリーグでも屈指のパフォーマンスを披露する実力者である。G大阪戦はケガの影響で先輩がベンチメンバーから外れたため、宮本に先発の出場機会が巡ってきた。本人は置かれた状況を理解した上で、意識していることを隠そうとはしない。加入前から目標の選手としつつも、高い壁を超えていく覚悟を口にしていた。

「酒井選手からスタメンを取りたい。夏までにはポジションを取るつもりで頑張ります」

 まず初めの一歩を踏み出した。G大阪戦では持ち味のスタミナを生かし、上下動を繰り返した。積極的に裏に飛び出す動きを見せたかと思えば、元ボランチらしく中央エリアでボールを受けて、ビルドアップに変化をつけた。チャンスに絡む回数は限られたが、存在はアピール。存分に走り回って、手応えも得た。

「自分のストロングは通用することも分かりました」

 いまチームは苦境に立たされている。開幕からリーグ3戦勝ちなし。新型コロナウイルスの感染者に加えて、ケガ人まで出ている。厳しい台所事情のなか、中3日でJ1王者の川崎フロンターレ戦を迎える。ただ、ピンチはチャンスでもある。ルーキーが一気に台頭する機会かもしれない。そして、チームを好転させたとき、大きなプラスをもたらすはずだ。

取材◎杉園昌之 写真◎山口高明