26日の浦和レッズ戦で今季初白星を手にしたガンバ大阪。劣勢の展開から流れを変えたのは、途中出場の選手たちだった。後半のスタートからピッチに入った新戦力の石毛秀樹が果たした役割とはーー。

上写真=積極的なプレスで勝利に貢献した石毛秀樹(写真◎山口高明)

■2022年2月26日 J1リーグ第2節(@埼スタ/観衆16,121人)
浦和レッズ 0-1 ガンバ大阪
得点者:(ガ)福田湧矢

勝ち点を拾えるのが上にいくチーム

 前半はベンチから苦しい戦況をじっと見つめながら、打開策を探っていた。G大阪の石毛秀樹は後半開始からの投入を知らされると、すぐに頭を整理した。浦和の勢いを止める手立てはある。

「自分たちから守備ができれば、ビルドアップを制限できると思っていました」

 3-4-2-1システムの2シャドーの一角に入ると、相手の最終ラインへ積極的にプレスをかけた。走って追いかけ、また走る。二度追い、三度追いは当たり前。背番号48のハードワークは、ゲームの流れを変えた。前半は浦和のパス回しに翻弄されていたものの、少しずつ中盤で引っ掛ける回数が増えてきた。浦和のパスワークを乱し、岩尾憲の退場を誘発したのも石毛だった。

「いい守備はいい攻撃につながるし、相手を押し下げることもできる。前からプレスをかければ、後ろもついて来てくれた」

 すべてがはまったわけではなかったものの、後半に改善が見えたからこそ、勝利を手繰り寄せることができたのだろう。片野坂監督の目指すべきサッカーはまだ道半ば。ただ、明るい兆しは見えた。今季、ファジアーノ岡山から完全移籍で加入した27歳は、確かな手応えを得ている。

「勝てたことはいい刺激になりました。100点満点の出来ではないですが、勝ち点を拾っていくのが上にいけるチームだと思います」

 石毛が欲しているのは、タイトルである。清水エスパルスの下部組織で育ち、岡山で過ごした2シーズンはいずれもレンタル。愛着あるクラブを飛び出したのも、栄冠を手にするためだ。あらためて強い覚悟を口にした。

「強いガンバを取り戻す。ここから連勝していけるように、チーム一丸となって戦っていきます」

 次節は3月6日。ホームのパナソニックスタジアムに前年王者の川崎フロンターレを迎えて、2勝目を目指す。

取材◎杉園昌之 写真◎山口高明