上写真＝17分にチームの2点目をスコアした佐々木旭（写真◎小山真司）
強い気持ちで試合に入りました
前節、横浜FM戦で初めてプロのピッチに立った。途中出場から10分あまりプレー。その一戦から中2日、連敗が許されない重要な鹿島戦で佐々木は左サイドバックとして先発を果たした。
「前節に負けてしまって（2-4）、連敗できない試合で自分を使ってくれた鬼木さんに感謝したいです。その期待に応えるためにも、何としても結果を残したいと、強い気持ちをもって試合に入りました」
この試合の重要性は、佐々木も理解していた。左サイドでタンデム（縦関係）を組んだ小林悠が中に入ってプレーするタイミングで幅を取ることを心掛け、パスワークに加わり、相手の守備陣形を広げた。タイミングがズレるシーンも何度かあったが、破綻はなく、チームで求められるタスクを遂行した。
そして前半17分。チームにとって貴重な追加点を生む。「アシストかゴールで、勝利に貢献したいと思っていたのでゴールはうれしい。狙ってました」。右CKの場面。脇坂泰斗のキックをニアで山村和也がすらしたところに迷わず飛び込んだ。
「セットプレーの練習のときにあの形はやってました。それで山村選手が競る瞬間に相手の選手がボールウォッチャーになっていて、スペースが空いてるのが見えたので走り込みました。ボールが来たので、浮かしてもいいから思い切って振り抜こうと。良いコースに飛んで良かったです」。注目すべきは練習の成果を出し切ったこと。そしてスペースが見えていたこと。プレッシャーのかかる試合で、しっかり自らの力を出したゴールだった。
鹿島戦前の取材の中で鬼木達監督はプロデビューを果たした佐々木について、「ここからだと思いますけど、キャンプからパフォーマンス自体は悪くなかった」と説明。「（キャンプでは）時間の経過とともに少し疲れもシーズン始まる前にはありましたが、ここが彼にとっても勝負だと思うのでしっかり準備してほしい」とも語っていたが、鹿島戦で先発に抜擢された佐々木は、まず一つ結果を出してみせた。
さすがにJ1トップレベルの試合の初先発であり、強度の高いプレーが続いたことで、佐々木は両足をつり75分に交代した。「スタジアムの雰囲気、相手のプレッシャーとか、後半に入って圧は感じました」と語ったが「緊張はなかった」と本人は振り返る。すぐに定位置獲り、とはならないまでも、着実にチームを刺激する存在になっていくだろう。可能性を大いに感じさせる75分間だった。