明治安田生命J1リーグの第2節は26日、各地で行なわれ、埼玉スタジアムではガンバ大阪が浦和レッズに完封勝ちを収めた。83分に途中出場した福田湧矢がゴールを決めてそのまま逃げ切り、今季初勝利。一方、ホームで敗れた浦和はリーグ3戦勝ちなしとなった。

上写真=決勝ゴールをあげた福田と片野坂監督が歓喜の抱擁(写真◎山口高明)

■2022年2月26日 J1リーグ第2節(@埼スタ/観衆16,121人)
浦和レッズ 0-1 ガンバ大阪
 得点者:(ガ)福田湧矢

・浦和メンバー:GK西川周作、DF宮本優太(86分:犬飼智也)、岩波拓也、アレクサンダー・ショルツ、大畑歩夢(46分:馬渡和彰)、MF松崎快、伊藤敦樹、岩尾憲、関根貴大、FW小泉佳穂(86分:柴戸海)、 江坂任

・ガンバ大阪メンバー:GK石川慧、DF昌子源、三浦弦太、髙尾瑠、黒川圭介(90+4分:福岡将太)、柳澤亘(46分:石毛秀樹)、MFチュ・セジョン(61分:山本悠樹)、倉田秋、小野瀬康介、FWレアンドロ・ペレイラ(46分:山見大登)、宇佐美貴史(80分:福田湧矢)

浦和は開幕から3試合勝利なし

 耐えて、しのいで、つかんだ待望の勝ち点3だ。今季からG大阪を率いている片野坂知宏監督は、試合終了の笛が鳴り響くと、胸をほっとなでおろして、初勝利の味を噛み締めた。

「何とか逃げ切ることができてよかったです。(6分の)アディショナルタイムが長く感じました。何として勝ち切らないといけないと思っていました」

 守備の集中力を切らさないようにベンチから声を枯らし、身振り手振り指示を飛ばしていた。指揮官の熱い思いは、ピッチに立つ選手たちにもはっきり届いていたようだ。

 前半から防戦一方になったものの、守備陣が辛うじて持ちこたえた。3バックの昌子源、三浦弦太、 髙尾瑠はマークを外すことなく、相手のクロスボールにしっかり対応。ゴールマウスを守るGK石川慧は安定感のあるセービングでピンチを防いだ。絶対的な守護神として君臨してきた東口順昭の不在を感じさせないほどだった。

「前半をゼロにしのいだのが大きかった」(片野坂監督)

 後半は石毛秀樹、山見大登らを投入して前からプレスを強めるなど守備を修正し、何とか浦和の勢いをそいだ。そして、相手の岩尾憲が退場処分になった直後だった。0-0で迎えた83分、ペナルティーエリア付近でこぼれ球を拾った福田が思い切りのいいミドルシュートを放ち、ゴールを奪うことに成功。相手に当たって、コースが変わる幸運にも恵まれた。

 1点のリードを奪ってからは、落ち着いて時間を進めてみせた。無失点で試合を終えると、GK石川は仲間たちに力強く抱きしめられていた。殊勲のシャットアウトと言っていいだろう。苦しみつつも、執念で勝ち点3を拾った。

 一方、敵陣に押し込み、G大阪の2倍近い計11本のシュートを放った浦和にとっては痛恨の黒星。前半から絶好機をつくっていただけにリカルド・ロドリゲス監督は、悔しさをつのらせた。

「決定力が足りなかった。結果は内容に相応しいものではないが、これもまたサッカーだ」

 リーグ開幕から白星に見放され、3試合で勝ち点1。目標に掲げる16年ぶりのリーグ制覇に向けて、厳しい船出となっている。

取材◎杉園昌之 写真◎山口高明