横浜F・マリノスは19日、明治安田生命J1リーグの開幕戦に臨み、セレッソ大阪と2-2で引き分けた。1点のリードを許した状況から69分に同点ゴールを挙げたのが左ウイングとして先発した仲川輝人だった。

上写真=再三、仕掛ける姿勢を見せた仲川輝人(写真◎J.LEAGUE)

開幕戦から表現できた

 横浜FMのオープニングゴールをスコアしたのは仲川だった。19年シーズンに15ゴールをスコアし、リーグのMVPと得点王を受賞したが、その後は20年、21年シーズンとも2ゴールに終わった。ケガもあったが、悔しい結果に終わっていた。まだ1ゴールを記録したに過ぎないものの、C大阪との開幕戦が仲川自身にとってポジティブなスタートになったのは間違いない。

「点を取れるときというのはいるところにいるというか、自然とボールが来る場所にいるというのが戻ってきた気がします。この感覚をもっと鋭くして、ゴールへの嗅覚を高めていければ」

 C大阪との開幕戦では左サイドでプレーした。これまで横浜FMでは右が主戦場だったが、この日は逆。前田大然が移籍した影響もあり、2022シーズンはこの形が増えていきそうだ。ただそのことに不安はない。ゴールシーンを振り返った。「チームで点を取るときは、ああいうシーンが多い。それがウイングの仕事。点を取るときにはペナルティーエリア内へ入っていっていって、ということが多いので」。そして「自分が得点王になったときの感覚というか、自然とゴール前に体が入っていったというのが今日はありました」と呼び起こされた手応えも語った。

 試合は相手に先制されたものの、横浜FMがボールを握り、内容面でC大阪を押し込んだ。その中で生まれたのが、仲川の同点ゴール。新加入のアンデルソン・ロペスがボックス内に切り込んで右から送ったクロスにしっかり詰めていた。「右なら中に入って巻いたシュートというのもあったと思うんですけど、左でもそういう形をもっと練習して出せるようにすることと、今日のようにクロスに合わせる形ができれば自然とゴールは増えていくと思う。大然も左ウイングのときには中で、中でとプレーして点を取っていた。ウイングはセカンドストライカーというか、センターフォワードがニアで潰れてその後ろにしっかり入っていくこと。そのことはケヴィン監督もずっと言っていて、それを今日表現できた。これからも続けていきたい」。開幕戦は、ゴールイメージを確認するゲームにもなった。

 82分に西村拓真と交代した仲川。チームとして勝ち切れなかったことを悔やんだが、一方で「自分たちがやろうとしているサッカーを表現できた」ともコメント。23日にはJ1王者・川崎Fとの対戦が待っている。開幕戦で得た手応えを携え、次なるビッグゲームに向かう。