サンフレッチェ広島のミヒャエル・スキッベ監督が、2月17日にオンライン会見を実施。来日できないまま開幕を迎えるが、ここまでのチームづくりへの確かな手応えを語った。また、3月上旬に来日できる見込みとなったことが発表されている。

上写真=ドイツからオンラインで会見に臨んだスキッベ監督(写真◎スクリーンショット)

「より攻撃的なサッカーを披露できる」

 母国ドイツのクラブのユース年代や、欧州各国のクラブのトップチームの監督を歴任したスキッベ監督は、2002年日韓ワールドカップで準優勝したドイツ代表のコーチや、ギリシャ代表監督も務めた豊富な経験で期待を集めていた。しかし新型コロナウイルス感染症による入国制限のため、依然として来日できておらず、広島は2月19日の明治安田生命J1リーグ開幕戦・サガン鳥栖戦も指揮官不在で臨む。

 だが会見の冒頭で仙田信吾社長が、スキッベ監督と、同じくドイツ国籍のセハット・ウマルコーチについて「昨日(16日)の深夜、Jリーグから連絡が入り、入国できることが決まりました。時期は3月上旬と思われます」と発表。スキッベ監督は来日に遅れについて「非常に残念に思っている」と語ったものの、「クラブやJリーグが全力を尽くしていただいたことに感謝しています」とお礼を述べた。
 
 始動後は練習の映像を見たり、現場のコーチとオンラインで打ち合わせをしながらチームづくりを進めている。陣頭指揮を執る迫井深也ヘッドコーチなどスタッフに「非常に良い働きをしてくれた」と感謝し、「ここまでの仕上がりに満足している。良い形で初戦を迎えられると思っている」と自信をのぞかせた。

 具体的には「いろいろと新しい要素が組み込まれたが、なかでもプレッシングが挙げられる」という。ボールに激しくプレッシャーを掛けていくスタイルに取り組んでおり、「選手も興味深く取り組んでくれていた。そうした要素を初戦でも見せてもらえる、新しいサンフレッチェを見せることができるのではないか。より攻撃的な、プレッシングが効いたサッカーを披露できると思う」とコメントしている。

 来日のメドが立ったとはいえ、もうしばらく『遠隔指揮』は続くが、対戦相手の分析については「こちらからも意見を言うようにしている」と明かす。分析担当の御簾納将コーチから「試合の映像やハイライトが送られてくるので、それを見て意見したり」、意見交換をしながら「現場に落とし込めるように話している」と強調。さらに「明日(18日)、コーチ陣とのミーティングがあるので、モチベーションのコントロールや、勇気付けの言葉を掛けようと思う」と続け、密にコミュニケーションを取っていることをうかがわせた。

 昨季のリーグ11位からの巻き返しを期す2022年シーズン。クラブ史上初のドイツ人指揮官は、ファン・サポーターに向けて「開幕を楽しみにしていると思います。我々は勇敢なサッカーを続けていこうと思っているので、皆さんも一緒になって楽しんでほしい」と呼びかけ、「昨季は11位でしたが、ここまでの準備を見る限り、それを上回っていけると思う。皆さんと、広島の街と、地域全体、みんなで頑張っていきましょう」と力強く語った。