上写真=ミヒャエル・スキッベ新監督が来日できないまま、広島は新シーズンへの準備を進めた(写真◎2022 S.FC)
大きく変わった戦い方
2018年から指揮を執ってきた城福浩監督が昨季終盤に退任。沢田謙太郎ヘッドコーチが後任を務めた時期を経て、22年シーズンに向けてドイツ国籍のミヒャエル・スキッベ新監督が就任した。
母国ドイツなど各国クラブのトップチームや育成年代のほか、ドイツ代表コーチやギリシャ代表監督も務めた豊富な経験で期待を集めている。しかし、新型コロナウイルス感染症による入国制限のため、同じくドイツ国籍のセハット・ウマルコーチとともに来日できないまま、開幕を迎えることとなった。
代わって陣頭指揮を執っている迫井深也ヘッドコーチは、宮崎キャンプ終了後の2月13日に「クラブが攻撃的なサッカーを掲げている中で、監督と(リモートで)密に連絡を取りながら、そこを求めてきた」と現状について語った。昨季は徳島のダニエル・ポヤトス監督が、同様の影響でチーム合流が4月中旬までずれ込み、最終的にJ2降格となっているだけに、指揮官不在の影響を最小限に抑えることが、シーズン序盤のポイントになる。
スキッベ監督は昨年12月のオンライン就任会見で、理想とする形を「アグレッシブで、オフェンシブなスタイル」「走力で上回るようなサッカー」「相手に長くボールを持たせず、できるだけ早く奪って攻撃につなげる」などと断片的に語っている。ここまでの積み上げでは、前線から激しくボールを追う守備、ボール奪取後の縦に速い攻め、奪われた後も前に出て奪いにいく姿勢など、狙いは明確になってきた。
昨季終了時点からメンバーの入れ替えが少なく、大きな上積みがない反面、チームの戦い方は城福監督時代とは大きく変わった。とはいえ、試合では狙い通りにボールに圧力をかけられない時間帯もあるはずで、そうした場合のバランスやメリハリも求められる。新しい形に手応えを得るためにも、シーズン序盤の数試合の内容と結果が、これまで以上に重要になりそうだ。