いよいよ明治安田生命J1リーグが開幕する。3連覇を目指す川崎フロンターレは、2月18日の「金J」でFC東京をホームに迎えてオープニングマッチを戦う。昨夏に加わったブラジル人ウインガー、マルシーニョは、もっとゴールを、もっとアシストを、の意欲が高まっている。

上写真=マルシーニョは富士フイルムスーパーカップ2022では後半から出場。今年もそのドリブルに期待だ(写真◎小山真司)

「チームの力にならなければ」

 マルシーニョが川崎フロンターレに加わったのは昨年8月。ヨーロッパへ渡った三笘薫の後釜として期待が集まって、11試合出場1得点の結果を残した。今年は日本でシーズンの最初のチーム作りからトレーニングに加わることができたから、さらに大きな伸びしろに期待が集まる。

「昨シーズンはいいプレーができたと思いますし、力にもなれたと思います。でも、それに満足することなく、昨シーズンよりも個人としてチームの力にならなければいけないと思っています」

 個人の出来をチームの結果に変換する。マルシーニョの今季のテーマになりそうだ。それを最初に示そうとトライしたのが、2月12日の富士フイルムスーパーカップ2022、浦和レッズ戦だった。後半からピッチに登場して左ウイングとしてプレーした。

「難しいゲーム展開になっていて、いつ呼ばれても入れるようにとゲーム中にもいい準備をしていたつもりです。スコアが後追いになってしまったので、監督からもとにかく前線で動きを出してほしいと要求されました」

 7分に先制されてしまい、その1点を追いかける展開だった。押し込み返して主導権を握るものの、崩せない。単独突破で相手を破ることのできるマルシーニョを、後半開始からいつもの左ウイングに投入する交代策は理にかなっていた。しかし、「精一杯やったつもりですが、なかなか結果につながりませんでした」とマルシーニョ。目の前には日本代表の酒井宏樹がいた。

「日本代表選手で、守備面でとても素晴らしいし、攻撃面もそうでした。自分としては彼だけのことを考えるのではなくて、自分のポテンシャルを信じて仕掛けていきたいと思っていました。現段階ではもっと改善する部分はありますが、とにかく次に対戦するとき積極的にいきたいと思います」

 ドリブルがダイレクトにチャンスに結びつく場面は少なく、シュートも打てないまま終わった。だが、まだ「本番」は始まっていない。2月18日、FC東京との開幕戦から全力で勝利を積み重ねていく。

「チームの勝利を最優先だと考えているので、できることは精一杯ピッチで表現したいと思います。個人的には、ゴールをもっともっと目指したいし、アシストも数字として残したい。もちろん、攻撃だけではなく、必要なら守備の面でもハードワークしたいと思います」

 自慢のドリブルに磨きをかけて、チームのために。どんな進化を見せるか、楽しみだ。