ついに熱く激しいリーグ戦が開幕する。19日には明治安田生命J1リーグ第1節、横浜F・マリノス対セレッソ大阪が行なわれる。それぞれ古巣との対戦となる横浜FMの水沼宏太、C大阪の乾貴士が、オンライン会見で意気込みを語った。

上写真=横浜FMの水沼宏太(左)とC大阪の乾貴士(写真◎スクリーンショット)

■2022年2月19日(土)14:00 J1第1節(@日産スタジアム)
横浜F・マリノス対セレッソ大阪

過去10年の対戦成績はC大阪が大きく勝ち越す

 19日に開幕戦で対戦する横浜FMとC大阪のJ1での対戦成績は、横浜FMの17勝9分け18敗。一見すると互角に映るが、2012年から2021年までの10シーズンにフォーカスすると、横浜FMの1勝5分け10敗。横浜FMが圧倒的に分が悪い。

 この日、行なわれた開幕戦に向けたオンライン会見でそのことについて聞かれた水沼は、「相性はそれほど気にしたことはないですけど、マリノスに帰ってきてセレッソには勝っていないと聞きました。でも、自分が来たからには勝ちたいと思って2020シーズンに臨みましたがダメだった。でも去年は勝つことができた。(10年ぶりに)勝って相性の悪さはなくなったのかなと」。2021年の第8節、日産スタジアムで行われた試合は、オナイウ阿道のゴールにより1-0で横浜FMが勝ち切った。その勝利によって嫌な流れは払しょくされたと語った。

 対する乾は昨季、JリーグとC大阪に10年ぶりに復帰したが、復帰後初ゴールを決めた相手が横浜FMだった。33節のホームゲーム、開始6分にボックス左に進入すると、右足を一閃。ボールは相手DFに当たってゴールへ吸い込まれた。「(F・マリノスは)ここ最近は特に良いサッカーをしていると思っています。強いチームになっているイメージがあります」と相手をリスペクトしつつも、「しっかり勝ちたい」と勝利への意欲を示した。

 昨季は両チームともシーズン途中で監督が交代するなど難しい時期を過ごしたが、今シーズンはその指揮官のもとで初めてキャンプに臨んでいる。手応えについて水沼は「初めて(ケヴィン・)マスカット監督のもとでのキャンプでしたが、今までサッカーにプラス、もう一つ上のレベルに行こうということで始めて、色んな場面で臨機応変にプレーすることが増えています。攻撃も守備もレベルアップしていると思います」と感想を語り、乾は「去年の途中から小菊(昭雄)監督に代わりましたが、練習という練習が連戦が続いてできなかったので、(キャンプでは)戦術の確認だったり、守備の意識を統一できるように取り組んできました」と充実したキャンプになった振り返った。

 横浜FMは今季、創立30年という節目のシーズンとなるが、そのことについて水沼は「非常に感慨深い」と話し、「自分の父(貴史氏)が1年目にもプレーしていましたが、30年経って、また水沼がいるんだというところ、1年目にも30年目にも水沼がいるということを知ってもらいたいという思いもありますし、しっかり自分の名前を背負って戦いたい」と説明。今シーズンからユニフォームの名前も「KOTA」から「MIZUNUMA」に変更している。結果を出すことでしっかり歴史をつないでいきたいということだろう。

 そしてユニフォームについて触れるなら、乾も今季は23番から8番に背番号を変更した。セレッソ大阪の8番はチームの象徴的な選手がつけてきた番号だ。「自分自身のプレーがどう変わるかというのは分からないですけど、責任感をしっかり持って、誰でも付けられるような背番号ではないと思っているので、それを自分に言い聞かせてやっていきたい」とその決意を語った。昨年11月に手術した右ヒザも「まったく問題はない」状態で、「コンディションも上がってきている」と開幕にフォーカスしている。

 水沼は横浜FMに入団した際、1つ上に乾がいた。「同じ寮に住んでいましたし、車に乗せてもらったり、ご飯に連れて行ってもらったり、服を買いに行ったり」とお世話になった先輩だという。ただし、勝負は別だ。「僕らはホームですし、目標を達成するために開幕戦は大事な試合になる。古巣相手に勝ちたい気持ちもありますし、勝利を目指して自分のできることを精一杯、出したい」と勝利を誓った。そして先輩の乾は久しぶりの日本での開幕戦を迎えることについて「それですべてが決まるわけではないですけど、良い(シーズンの)入りになるに越したことはない。しっかり勝って自信をつけたい。マリノスに勝てばみんなも自信を持てると思うので」と必勝を期した。注目の一戦は19日、日産スタジアムで14時にキックオフされる。