浦和レッズが川崎フロンターレと対戦する、2月12日の富士フイルムスーパーカップ2022。今季移籍してきた岩尾憲は徳島時代にともに戦ったリカルド・ロドリゲス監督とともに「見る」サッカーを推し進める。川崎Fも「見る」にかけては一級品。どんな戦いが待ち受けるのか。

上写真=岩尾憲の理解力の高さは浦和の進化を早めるはずだ(写真◎スクリーンショット)

「相手の判断を奪った中でボールを保持できます」

「自分の中にも可能性が転がっている」

 岩尾憲は今季、浦和レッズに加わって、強く感じるという。

「クラブはいまタイトルに飢えていますし、タイトルを狙える大きな規模のクラブでプレーするのは初めてなので、僕も飢えています。それを実現できるクラブで、期待されているクラブなので、その一員としてプレーできるのは喜ばしいです。自分の中にも可能性が転がっていると思います」

 リカルド・ロドリゲス監督とは徳島ヴォルティスで4年、戦ってきた。今季、浦和で「再合流」することになった。いわば懐刀としての期待が集まる。副キャプテンにも指名された。でも、岩尾自身は極めて謙虚だ。

「僕の意志として、クラブでのいまの立ち位置だったり、既存の選手たちへのリスペクトもありますし、自分がリカルドと4年を過ごしたのは過去の話で、関係ないと言えば関係ないので、そういったところで考えることはあると伝えました」

 それでもリカルド・ロドリゲス監督は指名した。「過去の話」と岩尾本人は言うが、戦術理解度の高さ、それを言語化できる才能がこのクラブの行く末を照らす。

「戦術的なところが非常に細かい監督ですし、相手を見ながらになるので変則になる部分があるにせよ、いろんな形を取ったとしても各々の選手がオートマチックに、思考せずに、無意識にポジションを取ることができる。もちろん、相手を見て、このときはこれが正解だなと判断するので、無意識とはいえ見て考えてはいますけれど、無駄に考えすぎずに、ぱっとポジションを取れる、そこのオートマチックが生まれると非常にチームとして機能している状態になるのかなと」

 考えない思考、とでも言うべきか。

「そこが早く取れると、あうんの呼吸と言ったりしますけど、そういったことが自然発生的に生まれて、ボールを持ったときに主体的に素早く、相手の判断を奪った中でボールを保持できます。チームとしてタイトル取れるか取れないかはやってみないとわからないですけど、貪欲に狙っていきますし、そういう領域まで近づくためにはそのフェーズに持っていくのが大事だと思います」

 リカルド・ロドリゲス監督は浦和で2年目を迎えるが、今季も多くの選手が入れ替わり、改めてチームの構築を進めている段階だ。「2年目」という視点に立った場合、岩尾の目にはどう映るのか。

「フラットにリカルドが2年目を指揮する中で、どれぐらい理解しているかという点で言うと、すごく理解しているとも言い難いし、とはいえまったく浸透していないとも思っていなくて、時間相応に浸透していると思います」

 そのスピードを高めるためにも、岩尾の頭脳と経験が必要だ。

「型が一つあるけれど、サッカーは野球と違ってバントしろと言われてもバントしなければいけないわけではないので、各々の判断やアイディアが重要で、リカルドもそう思っていると思います。戦術の大枠はありますけど、個人のアイディアのところで経験値も含めて引き出しのある選手がたくさん浦和にはいるので、ある意味、型破りも必要だし、型破りですらスタイルだと浦和では言える可能性もあります」

 型破りこそが進化のカギ。まさしく「守破離」の「破」の段階に、新生レッズはいる。