鹿島アントラーズは25日、サガン鳥栖から完全移籍で樋口雄太が加入すると発表した。樋口は攻撃MFで鳥栖では主にトップ下やサイドでプレー。2021シーズンは37試合に出場し、6ゴール6アシストの成績を残している。

上写真=鹿島加入が決まった樋口雄太(写真◎J.LEAGUE)

何度も自問自答を繰り返した

 鹿島が鳥栖から攻撃的MFを獲得した。樋口は鳥栖のアカデミー出身で鹿屋体育大を経て、2019年に鳥栖に入団。2021シーズンからは5年ぶりに欠番となっていた10番を背負って攻撃の中心として活躍していた。

「このたび、鹿島アントラーズに加入することになりました樋口雄太です。伝統あるクラブの一員になれたことを光栄に思います。
すべてのタイトル奪取に向けて、自分の持っている力を全面に出して、チームの勝利に貢献できるよう頑張ります。アントラーズファミリーの皆さん、よろしくお願いします!」

 自身が育ったクラブを離れる事実が覚悟の大きさを物語る。古巣となった鳥栖に対しては次の通り、樋口は感謝の言葉を述べている。

「私、樋口雄太は、アカデミーから数えて13年間お世話になったサガン鳥栖を離れ、鹿島アントラーズでプレーする決意をしましたことを報告させていただきます。小学校3年生でサガン鳥栖U-12の一員になり、サガン鳥栖U-15、U-18と、トップチームでプレーすることを志し、毎日ボールを追いかけ続けてきました。U-18からトップチームへの昇格はできませんでしたが、大学時代も自分の成長を気にかけてもらい、憧れのサガン鳥栖でプロ選手としてプレーができる機会を与えてもらえたことがとても嬉しく、ひとつの夢が叶ったことと、サガン鳥栖への恩返しができる喜びを感じたことを思い出します。
 プロ1年目のホーム開幕戦。スタジアム入りする選手バスを、多くのサポーターの皆さんが迫力ある応援で迎えてくださり、今まで経験したことのない心臓の鼓動、感じたことのない緊張感と興奮は、今でも鮮明に脳裏と心に焼き付いてます。そして、プロ3年目の今シーズンは、背番号10番を背負わせてもらい、クラブや皆さんからの期待やサガン鳥栖10番の重みと責任を感じることで、選手としても人としても大きく成長することができました。トップチームの選手としては3年間しかプレーしていない自分でしたが、サポーターの皆さんには素晴らしい雰囲気で力強く後押ししてもらい、感謝の言葉しかありません。どんなに苦しくても、皆さんの応援によって自分の心を奮い立たせて、何度も立ち上がり、もう一歩を踏み出すことができました。自分のプレーを皆さんの応援が創り出してくれました。
 サガン鳥栖の背番号10として、もっともっと伝えたいこと、伝えていかなくてはならないことがあるのではないかと、何度も自問自答を繰り返しました。自分に求められている期待、自分自身が成長していくために必要なこと…。この決断に至るまで苦しい毎日でしたが、悩み抜いて決意しました。ただ、今の自分があるのは、間違いなくサガン鳥栖の存在であり、サガン鳥栖に関わる全ての方々の存在でした。そんな特別な存在であるサガン鳥栖を本当に愛していますし、その気持ちはこれからも変わることはありません。だからこそ、樋口雄太自身が更に成長した姿を見せ、皆さんにも特別な選手だと感じてもらえるように努力することで、その気持ちを表現し続けていきたいと思っています。
 これまでたくさんの応援で力をくださった皆さま、支えてくださった関係者の皆さまへ、本当にありがとうございました」

 メッセージの端々から並々ならぬ決意が感じられる。新シーズンの樋口のプレーに注目だ。

■樋口雄太(ひぐち・ゆうた)
・生年月日:1996年10月30日
・出身Tに:佐賀県
・ポジション:MF
・身長/体重:168cm/66kg
・経歴:鳥栖U-12→鳥栖U-15→鳥栖U-18→鹿屋体育大→鳥栖